Beatlemania's Blog ~ビートルズ研究~

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The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-386- 【Martha My Dear】

 

【 Martha My Dear 】 -1-

 


今の感想

 


このセッションでの録音29曲目。
ポールの曲

ロックン・ロールの歴史を体現したHappiness Is A Warm Gunの後に
全くロックではない曲が続く。アルバムB面1曲目。

この落差はすごい。
ここまで遠く隔たった曲が同居するアルバムが他にあるだろうか。

Happiness Is A Warm Gunはすごかったけれども
この曲も素晴らしい。

同じビートルズ・ファンだとしてもHappiness Is A Warm Gunを
好きな人とこの曲を好きな人は全く違う嗜好を持っていると思う。

ずっとポール1人のレコーディングだと思っていた。Yesterdayや
Eleanor Rigbyのようにポールとジョージ・マーティンのコンビでの作品。

ポールが楽器を弾いてボーカルを録音。そこにマーティンが
ブラス、ストリングスのスコアを書いてオーバー・ダブする。

この曲はポールとマーティンの二人が協力して完成させた曲だ。
これは間違いない。二人で作った曲の中では最高峰の曲だ。

ポールとマーティンはもうコンビといっていいのではないかと思う。
この時のポールのパートナーはジョンではなくマーティンだ。

ポールはジョンのロック曲に全身全霊をかけて取り組み楽しんでいる。
でも一方でポール自身はロックの曲は減りロック以外の曲が増えた。

それがこの曲でありHoney Pieだ。
バンド演奏ではなく1人での演奏も増えた。

ロックバンドの枠組みからポールは逸脱していっている。
その結果、ポールのパートナーはジョンからマーティンへと移ってきている。

ポールはマーティンとこういう曲を作りたかったのだろう。
ジョンがRevolutionでロック寄りの方針とコンセプトを最初に示しているのに

それでもポールはマーティンと共にこの曲とHoney Pieを作る。ジョンが
マーティンをプロデューサーから外すという強引な行動にでなかったら

おそらくポールとマーティンはSgt. Pepper's、Magical Mystery Tour、
あるいはこの曲とHoney Pieを集めたようなアルバムを製作しただろう。

そんなジョンとポールの状況は音楽性の違いということになるのだろうか。
そうだとすると解散の原因は単に音楽性の違いということもあるのだろうか。

次のアルバム「Let It Be」ではポールのこのようなロックではない曲は
みられない。この曲やHoney Pieのような曲はでてこない。

これはポールがジョンに迎合した、譲ったということではないのか。
ここまでのWhite Albumのセッションでは二人の亀裂はないのだから

二人の亀裂はLet It Beのセッション中のはずだ。
そうだとするとポールがジョンに迎合したが最終的には決裂したことになる。

そもそもの始まりはポールとジョンの音楽性の違いによるものと言って
いいのだろうか。解散の原因の大元は単に音楽性の違いと言えるのだろうか。

そう思わざるをえないほどポールはロックから離れバンド演奏をしていない。
そしてロックから遠く離れたこの曲は見事な出来栄えであり圧巻だ。