The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-409- 【Julia】
【 Julia 】 -3-
イーシャー・デモと本番中のジョンとポールの会話について
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【資料】
Esher Demos(イーシャー・デモ)
ジョンが「ハロー、ポール」なんて言っている。
高音のハモリ・パートも歌われるが、完成版では聴くことができない
(レコード・コレクターズ 2018年 12月 P.95)
:
「ホワイト・アルバム」(3CDデラックス・エディション)の
3枚目(イーシャー・デモ)の12曲目でイーシャー・デモが聞ける。
歌の前にジョンがポールに「ハロー、ポール」と例のおどけた声色で言う。
気を許し合った親密な間柄にのみ許される呼びかけだ。
ジョンはとてもリラックスしている。
この曲を歌うにあたって悲壮感はない。
ポールのハーモニーも歌われている。
完成版では歌われなかった。
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【資料】
Esher Demos(イーシャー・デモ)
録音の最初にジョンがマイクのレベルを下げるように言う
マイクが2本のギターのそばに立てられた。
ジョンのボーカルは2回重ねられポールが高音のハーモニーを歌った。
(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.169)
:
ジョンが「ハロー、ポール」と言った後に続けて喋っている。
マイクのレベルを下げるように言っている。
マイクはギターのそばに立てられた。
ジョンはボーカルを2回歌い、ポールがハーモニーをつけた。
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【資料】
1968年10月13日(日)
Julia
第1回録音
第1~3テイク
最後の曲はジョン・レノンのJulia
ビートルズのキャリアにおいて唯一のレノンのソロ・レコーディングで
4トラック・テープにアコースティック・ギターとボーカルを
2回ずつ録るというシンプルな録音
(The Complete Beatles Recording Sessions P.201)
:
10月13日、日曜日に録音された。
White Albumのセッションで日曜日に録音された曲はこの曲だけだ。
土曜日の録音は1日だけある。1週間前の10月5日だ。
Savoy Truffle、Martha My Dearを録音している。
それまで規則正しく月~金で録音していたがセッションも大詰めになり
時間の関係で日曜になったのだろう。
ジョンの唯一のソロ・レコーディングだ。ポールはソロ・レコーディングが
増えたがジョンは最後に録音したこの曲のみだ。
ジョンがギターとボーカルを2回ずつ4トラック・テープに録音した。
つまりこの曲は弾き語りではない。
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【資料】
CD版 Anthology3
27曲目
ここで聴くことのできるテイク2は、ほとんどインストゥルメンタルである。
ジョンはアコースティック・ギターのトラックを完成させようと
試みている。
あいにく失敗してしまう
(CD版 Anthology3 CD付属解説書 P.18)
:
第2テイクをCD版 Anthology3-27で聞ける。
最初にのみボーカルが入っている。
ジョンはバック・トラックであるギターを録音している。
失敗して途中でやめる。
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【歌詞】
CD版 Anthology3
27曲目
Paul: That was a great take until?then
John: It was till then
Paul: Maybe try it again, there was one or two little
John: There was just the one wasn't there?
Paul: That was great.let me tell you
John: I couldn't ha... Couldn't I go from there? Yea...
John: Cause that one was perfect, wasn't it?
:
CD版 Anthology3に収録されている第2テイク
演奏の後でジョンとポールの会話が録音されている。
ポール:そこまではよかった
ジョン:そこまではね
ポール:もう1回してみよう、1か所か2か所だけだ
ジョン:1か所だろ?
ポール:いいね
ジョン:そこからできなかった
ジョン:だって完璧だっただろ?
ジョンとポールはヘッドフォンごしに会話している。
ポールがジョンを勇気付けている。
ジョンは笑いながらポールに言葉を返している。
2人の仲のよい協力関係が感じられる。
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【資料】
Julia(ツー・リハーサル)
ジョンが「歌うのがとってもキツい」なんて言ってから演奏。
キーが低く、優しく歌う
(レコード・コレクターズ 2018年 12月 P.93)
:
第1~3テイクを録音する前のリハーサル音源が残っていた。
上書きされなかった部分が残っていた。
White Album(スーパー・デラックス・エディション 2018)
6-18曲目で聞ける
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【資料】
ジョンにとっては初めてのソロ・レコーディング
コントロール・ルームにはポールという強い味方がいた。
ふたりはヘッドフォンを通じてやりとりしながらセッションを進めた。
(CD版 Anthology3 CD付属解説書 P.18)
:
ジョンにとっては初めてのソロ・レコーディング
録音時にはコントロール・ルームにポールがいた。
Blackbirdの録音時にポールのそばにジョンがいたように
この曲の録音時にはそばにポールがいた。
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【資料】
2月11日にHey Bulldogを録音して以来の
日曜セッションが行われる。
アルバムのための最後のレコーディングは
胸をうつようなジョンのバラードJulia
ビートルズのなかでは唯一のジョンのソロ・レコーディング
(The Complete Beatles Chronicle 1965-1970 P.370)
:
日曜日の録音は1968年2月11日以来だった。
White Albumの最後のレコーディングだ。
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【資料】
映像版 Anthology 8でのヴァージョンは正規版の一部に
スタジオの会話を編集したもの
(Complete Beatles Audio Guide P.125)
:
映像版 Anthology 8に収録されているジュリアは
正規版の音源だ。