The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-411- 【Julia】
【 Julia 】 -5-
引用での歌詞の構成とオノ・ヨーコへの愛
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【資料】
ジョンがIn My Life以来3年ぶりに書いたラブ・バラードで
ヨーコが歌詞の一部を手伝っている
(The Beatles Sound Book Vol.3-2 Official Numbers P.38)
:
この曲はジョンの3年ぶりのラブ・ソング
歌詞の一部はオノ・ヨーコのものだ。
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【資料】
ジョンが言う
「ヨーコと母のイメージをあわせてひとつにした」曲で
タイトルに母の名が、歌詞にヨーコの名(ocean child)が
使われている。
(The Beatles Sound Book Vol.3-2 Official Numbers P.38)
:
この曲はオノ・ヨーコと母親ジュリアの2人を合わせている。
タイトルのジュリアは母親、歌詞にオノ・ヨーコの名が出てくる。
○
【インタビュー】
ジョン
ジュリアはぼくの母親だ。
でもこれはヨーコと母親のイメージを重ねて一つにした合成のようなものだ。
(プレイ・ボーイ・インタビュー1980完全版 P.331)
:
2人のイメージを合成したとジョンが語っている。
オノ・ヨーコに母親のイメージを重ねた。
○
【資料】
ぼく(ジョン)が書いた。
この曲ではヨーコが手伝ってくれた。
ジュリアはぼくの母親だ。
でもこれはヨーコと母親を混ぜてひとつにした一種の合成だね
(ビートルソングス P.142)
:
歌詞をオノ・ヨーコが手伝っている。
イメージは2人が合成されている。
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【資料】
Ocean child、Calls me
の行はインドのジョンに宛てたヨーコの手紙に言及している。
日本語ではヨーコは大洋の子の意。
(ビートルソングス P.142)
:
インドでジョンとオノ・ヨーコは文通していた。
オノ・ヨーコからの手紙にOcean child、Calls meに関することが書かれていた。
Ocean childは大洋の子で洋子。
オノ・ヨーコはそう手紙に書いていたのだろう。
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【資料】
彼女(ヨーコ)はインドにいる彼(ジョン)に手紙を出し、そのひとつに
「わたしは雲よ。空にいるわたしを探して」
と書いていたが、それが「Silent cloud」に活かされている
(ビートルズ・リリックス名作誕生 P.367)
:
オノ・ヨーコがジョンに宛てた手紙の中に他の言葉もあった。
その言葉が「わたしは雲よ。空にいるわたしを探して」
ジョンはオノ・ヨーコの手紙の中の言葉から
「Silent cloud」を思いつき歌詞の言葉にした。
ジョンがオノ・ヨーコの手紙から歌詞の言葉を連想したのは
「Ocean child、Calls me」「Silent cloud」だ。
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【歌詞】
Half of what I say is meaningless ★ハリール・ジブラーン
But I say it just to reach you, Julia
Julia, Julia
Ocean child ★オノ・ヨーコ
Calls me
So I sing a song of love, Julia ★ジョン・レノン
Julia,
Seashell eyes ★ドノヴァン
Windy smile
Calls me
So I sing a song of love, Julia ★ジョン・レノン
Her hair of floating sky is shimmering ★ジョン・レノン
Glimmering in the sun
Julia, Julia
Morning moon
Touch me
So I sing a song of love, Julia ★ジョン・レノン
When I cannot sing my heart,
I can only speak my mind, Julia
Julia,
Sleeping sand ★オノ・ヨーコ
Silent cloud
Touch me
So I sing a song of love, Julia ★ジョン・レノン
Mmm...
Calls me
So I sing a song of love for Julia
Julia
:
ジョンが誰からの言葉を引用したのかを書きこんだ。
★の人物の言葉を引用している
ジョンの言葉はかなり少ない。
前掲のジョンによる最初期の歌詞の後半のみがジョンの言葉だ。
その歌詞の前半はハリール・ジブラーンの引用
その上にオノ・ヨーコ、ドノヴァンの言葉を加えている。