Beatlemania's Blog ~ビートルズ研究~

ビートルズ・ファンがビートルズについて調べたことを書くブログ

The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-310- 【Glass Onion】

Ringo Starr



【 Glass Onion 】 -4-

 


4人での同時演奏に戻った理由について

 


【資料】

1968年9月11日
第1回録音

ベーシック・リズム・トラック-ドラムス、ベース、リード・ギター、
アコースティック・ギター-を34テイク録音した。
第33テイクがベストとなった。

(The Complete Beatles Recording Sessions P.192)

 


まずベーシック・リズム・トラックを録音した。
4人全員で一緒に録音した。純粋なバンド演奏だ。

4人での演奏を34テイク録音した。
33テイクがベスト・テイクとなった。

前曲のDear Prudenceでは8トラック・レコーダーを使用し
1テイクしか録音しなかった。

その1テイクを何度も修正して
完成させるという方法をとった。

今回のGlass Onionでは4人同時演奏をベスト・テイクが録れるまで
くり返している。従来の録音方法に戻っている。

1テイクしか録音しなかったDear Prudenceの録音作業に
不服があったのだろう。

何度も修正してベーシック・リズム・トラックを
完成させることが思いのほか苦労だったのだろう

Dear Prudenceの時は不在だったリンゴがドラマーとして復帰したのも大きい。
Dear Prudenceのポールのドラムのように修正する必要がなくなった。

また、リンゴが脱退するという事件でポールもようやく悟った。
ドラムをポールが叩いてバンド演奏をしないでいるとビートルズが崩壊する。

リンゴの脱退はビートルズというバンドを再度結束させた。
この曲はビートルズがバンドとして再始動する象徴的な曲だ。

 


【資料】

ポールがドラムを叩いた曲

1 Revolution 1
2 Don't Pass Me By
3 Revolution 9
4 Blackbird
5 Everybody's Got Something to Hide Except Me and My Monkey
6 Good Night
7 Ob-La-Di,Ob-La-Da (★)
8 Revolution
9 Cry Baby Cry
10 Helter Skelter
11 Sexy Sadie
12  While My Guitar Gently Weeps
13 Hey Jude
14 Not Guilty
15 Mother Nature's Son ★
16 Yer Blues
17 What's The New Mary Jane
18 Rocky Raccoon ★
19 Wild Honey Pie ★
20 Back In The USSR ★
21 Dear Prudence ★
22 Glass Onion

 


ポールはこれまでの21曲の録音のうち5曲でドラムを叩いている。
Glass Onionは久しぶりにポールがドラムを叩かなかった曲だ。

 


【資料】

ジョージが演奏に参加していない曲

1 Revolution 1
2 Don't Pass Me By ★
3 Revolution 9
4 Blackbird ★
5 Everybody's Got Something to Hide Except Me and My Monkey
6 Good Night ★
7 Ob-La-Di,Ob-La-Da 
8 Revolution
9 Cry Baby Cry
10 Helter Skelter
11 Sexy Sadie
12  While My Guitar Gently Weeps
13 Hey Jude (★)
14 Not Guilty
15 Mother Nature's Son ★
16 Yer Blues
17 What's The New Mary Jane
18 Rocky Raccoon ★
19 Wild Honey Pie ★
20 Back In The USSR
21 Dear Prudence
22 Glass Onion

 


ジョージはこれまでの21曲のうち6曲で参加していない。
リンゴが脱退してからは参加している。

ジョージはジョンとポールに不満があったのだから
リンゴが脱退を表明した時に一緒になって2人に不満をぶつけてもよかった

でもジョージはそうしなかった。
少なくともこの時にジョージが不満をぶつけたという記録はない。

リンゴの不満は態度にあらわすことで2人に伝わり解決をみた。
一方主張しなかったジョージの不満は解消することなくくすぶり続けている。

The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-309- 【Glass Onion】

The Walrus



【 Glass Onion 】 -3-

 


ポールと別れようとしていたというジョンの発言は本当なのか

 


【インタビュー】

Glass Onionではウォルラスはポールだと歌っていますよね

ジョン

あれはジョークだ。あの1行を入れた理由の一つは、ちょっとした
罪悪感があったからだ。
あの頃、ぼくはヨーコと一緒になり、ポールと別れようとしてたからね。
あれはポールに対してとてもひねくれた言い方でこう言ってるんだ。
ほら、ささやかな希望をあげる。幻想をあげる。ぼくは去っていくんだから。

(プレイ・ボーイ・インタビュー1980完全版 P.171)

 

:
セッションを今までみてきてジョンとポールの仲が悪いところがみつからない。
ジョンとポールはWhite Albumのセッションが始まってからずっと仲がいい。

なのにこのジョンの発言はなんだろう。
オノ・ヨーコと仲がよくなっていたのはその通りだろう。

でもポールと別れようとしていたというのは本当なのだろうか。
そんな場面はこれまで一度もなかった。

ポールとジョージの間には問題があった。
ポールとリンゴの間にも問題があった。

ジョンとマーティンの間には問題があった。
でもジョンとポールの間には問題がない。

このジョンの発言は後で振り返ってのジョンの創作ではないだろうか。
このインタビューは1980年のものでWhite Albumから12年たっている。

以上、今までのセッション中の2人の行動の検討より
この時点でジョンとポールの間に不仲の要素はないとします。

そもそもどうしてオノ・ヨーコと仲がよくなったからといって
ポールと別れなければならないのか。

オノ・ヨーコは恋人でありジョンに混沌と叛乱の精神をもたらした師である。
曲を共作することもある。

ポールはバンドの一員で音楽上のパートナー
一般的に考えて同時進行して問題はない。

オノ・ヨーコが参加した初日からここまでのセッションで
驚くほどオノ・ヨーコはトラブルをおこしていない。

オノ・ヨーコが原因でメンバー間に軋轢が生じたという
エピソードが何一つ出てきていない。

ジョンがポールと別れる理由にオノ・ヨーコはなっていない。
このことも含めてジョンはポールとこの時点で別れる理由がない。

 


この曲は自分たち(ビートルズ)のことをからかっているのである。
ビートルズの神話自体、ジョンにとっては色あせはじめている

ビートルズ全曲解説(ティム・ライリー著) P.298)

 


ビートルズ自身のことを歌っている。
ジョンは一個人として赤裸々に自分自身を歌うようになった。

デビューからSgt. Pepper'sまで一心不乱に自ら作ってきた
ビートルズの神話をジョンは自ら破壊し再構築している。

The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-308- 【Glass Onion】

Cavendish Avenue house, Paul McCartney



【 Glass Onion 】 -2-

 


この頃ジョンとポールの仲はどうだったのか

 


【資料】

イーシャー・デモ

CD版 Anthology3、1-6

ジョンの曲で未完成の初期ヴァージョンである。
ジョンのボーカルはダブル・トラックだが、まだ歌詞が
できあがっていない部分は適当に歌っている。

(Anthology 3 CD付属解説書 P.10)

 


CD版 Anthology3の1枚目、6曲目でイーシャー・デモを聞ける
歌詞がまだ全部はできていない。

 


【資料】

デモでは1番の歌詞を3回歌った。
ポールの家、キャベンディッシュで手伝ってもらいながら
ジョンは2番3番の歌詞を書いた。
過去の曲、I Am The Walrus、The Fool On The Hill、Fixing A Hole
Lady Madonnaを歌詞に入れた。

(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.215)

 


ここでのデモとはイーシャー・デモのこと。
この曲にはイーシャー・デモがある。

イーシャー・デモではまだ歌詞が1番しか出来ていなかった。
だからジョンは1番の歌詞を3回繰り返して歌っている。

最初から3番までの歌詞にするつもりだったのだろう。
残りの2番3番の歌詞はイーシャー・デモの後に書いた。

ジョンはポールの家キャベンディッシュでポールと共に歌詞を書いた。
歌詞の意味をいろいろ詮索するファンと評論家への揶揄とからかい。

ジョンとポールは歌詞を考えるのが楽しかっただろう。
どうしたら煙に巻けるか。わくわくしただろう。

2番である「The Walrus Was Paul」の部分の歌詞を作ったのはポールの家
ジョンはポールと一緒にこの歌詞を考えた。

Penny Laneに卑猥な歌詞をすべりこませた時のようにジョンとポールは
いたずら心にあふれ目を輝かせていただろう。

だからこの時のジョンとポールが仲が悪いわけがない。
2人は10代のように好戦的なエネルギーに溢れた心友同士だ。

 


【資料】

イーシャー・デモ

「ホワイト・アルバム」(3CDデラックス・エディション) 3-3

最後に聴いたことのないメロディが飛び出す

レコード・コレクターズ 2018年 12月 P.95)

 


イーシャー・デモでのGlass Onion
最後に聞きなれない短いメロディがでる

 


【資料】

イーシャー・デモ

タンバリンが入っている。
たくさんの意味のない呟きが入っている。

(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.171)

 


イーシャー・デモでのGlass Onion
タンバリンが入っている。

The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-307- 【Glass Onion】

 

【 Glass Onion 】 -1-

 


今の感想

 


このセッションでの録音22曲目。
ジョンの曲

これ以上はない簡素なイントロ
全編に流れるストリングス。

まっすぐな8ビートと噛み付くようなジョンのボーカル
ビートルズのイメージそのものだ。

歌詞にはビートルズの曲名が連呼される。
詮索するファンへの揶揄とビートルズ自身へのパロディが溢れる。

ジョンの攻撃性が冴えている。
批判的でシニカルで舌鋒するどいジョンが帰ってきている。

ジョンの復活をとてもよく表している曲だ。
この曲が表すのはジョンが感じている自分自身の復活

ジョンもそんな自分の姿が誇らしかったのだろう。
だからこの曲を3曲目に選んだのだろう。

米のロックン・ロールをパロディにしたポールのBack In The USSR
ビートルズ自身とバンド周縁をパロディにしたジョンのGlass Onion

パロディとロックン・ロール。とてもビートルズらしい。
この時点でジョンとポールはとても健全だ。

The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-306- 【Dear Prudence】

 

【 Dear Prudence 】 -8-

 


【まとめ】

 

White Album」セッションでの録音21曲目

 


Dear Prudence について

リンゴは8月22日にビートルズを脱退してサルジニアで過ごしてい
ドラムスはリンゴではない
ポールがドラムを叩いている
最初からトライデント・スタジオで録音が開始された
8トラックで録音した
録音したテイク数は1テイクのみ
8トラックとなったこの曲では1テイクを録り後で修正していった
オーバー・ダビングではリダクションをしていない
ベーシック・リズム・トラックはリダクションされている
ポールのドラムも気に入るまで重ねて修正した
1988年から1989年にドラムがポールだとする事実が判明した
その後に続けてフリューゲルホーンの破裂音とドラムロールが入っている。
正規版のヴァージョンではこの部位はカットされている。

 


ビートルズの状態について

リンゴは8月22日にビートルズを脱退してサルジニアで過ごしている
ビートルズはリンゴ不在のまま録音を続ける
ポールはみごとなドラムをジョンに披露したかった

The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-305- 【Dear Prudence】

フリューゲルホーン



【 Dear Prudence 】 -7-

 


フリューゲルホーンは録音されたのか

 


【資料】

1968年8月30日
第3回録音

ピアノとごく短いフリューゲルホーン(共にポール)を
オーバー・ダブしてこの曲の録音を完了

(The Complete Beatles Recording Sessions P.190)

 


第3回録音ではポールのみがオーバー・ダブをした。
ピアノとごく短いフリューゲルホーンだった。

ピアノは聞き取れる。
でもフリューゲルホーンは何度どのように聞いても聞き取れない。

フリューゲルホーンは録音されたのだろうか。
どこで鳴っているのだろうか。

 


【資料】

ポールのベース、ジョンの重ねどりしたダブル・トラックのリード・ボーカル
そしてポール、ジョージ、マル・エヴァンズ、ジャッキー・ロマックス、
ポールのいとこのジョン・マッカートニーによるバック・ボーカルと
手拍子とタンパリン、
ポールのピアノとフリューゲルホーンをオーバー・ダビングした。

(The Complete Beatles Chronicle 1965-1970 P.360)

 


ベース、ボーカル、バック・ボーカル、手拍子、タンバリンなど
多くの楽器とボーカルがオーバー・ダビングされた。

多人数でのバック・ボーカルが録音された。
他にポールのピアノとフリューゲルホーンもオーバー・ダビングされている。

 


【資料】

完成までに以下のオーバー・ダブをした。

2回のジョンのリード・ボーカル
タンバリンとパーカッション
ベース・ギター
エレクトリック・ギター
ピアノ
2回のバック・ボーカル

(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.206)

 


この資料ではフリューゲルホーンは完成までにされた
オーバー・ダビングの中に入っていない。

 


【資料】

8月30日にトライデント・スタジオにてミックスが作成された。
ラフ・モノ・ミックスとステレオ・ミックスだった。

そのうちのモノ・ミックスの一つをジョンが保管していた。
このミックスでは周囲からの拍手とジョンが「最後のヴァースをするべき
だったかな?」と話すのが入っている。
続けて、フリューゲルホーンの破裂音とドラムロールが入っている。

他のミックスでも拍手とフリューゲルホーンの破裂音とドラムロールで
終わっている。

(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.207)

 


8月30日の録音最終日に数種類のミックスが作成された。
そのうちのミックスの一つがジョンの保管していたテープの中にあった。

そのミックスでは曲の最後に周囲からの拍手とジョンの喋りが入っている。
その後に続けてフリューゲルホーンの破裂音とドラムロールが入っている。

正規版のヴァージョンではこの部位はカットされている。
だから聞くことはできない。

この日の他のミックスにもフリューゲルホーンの破裂音とドラムロールが
最後に入っているとしている。

曲が終わった後のアレンジとしてフリューゲルホーンは録音された。
拍手とホーンとドラムロールでの終わりをジョンは考えていたのだろう

The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-304- 【Dear Prudence】

マル・エヴァンズ



【 Dear Prudence 】 -6-

 


ポールのいとこはバック・ボーカルを歌ったのか

 


【資料】

1968年8月29日
第2回録音

ベース(ポール)、リード・ボーカル(ジョン)、
バック・ボーカル、手拍子、タンバリン(ポールとジョージ)

(The Complete Beatles Recording Sessions P.189)

 


翌日の8月29日に第2回録音
ベーシック・リズム・トラックの第1テイクにオーバー・ダブをした。

ポール、ジョン、ジョージでベース、リード・ボーカル、バック・ボーカル、
手拍子、タンバリンをオーバー・ダブした。

 


【資料】

バック・コーラスが2トラックに入っている。
マル・エヴァンズとジャッキー・ロマックスとポールのいとこジョンが
参加している。

(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.206)

 


バック・ボーカルに8トラックのうちの2トラックを使用している。
バック・ボーカルに参加した人数が多いためだろうか。

バック・ボーカルに参加したのはポール、ジョージ、マル・エヴァンズ、
ジャッキー・ロマックス、ポールのいとこのジョン・マッカートニー

1トラックにポールとジョージ、残りのトラックにマル・エヴァンズ、
ジャッキー・ロマックス、ポールのいとこのジョン・マッカートニーだろう。

 


【資料】

マル・エヴァンズ、ジャッキー・ロマックス、ジョン(ポールのいとこ)
(手拍子)

The Beatles Sound Book Vol.3-2 Official Numbers P.29)

 


3人はバック・ボーカルのほかに手拍子もしている。
ただこの資料には3人のバック・ボーカルの記載はない。

 


【資料】

トライデント・スタジオだったため、ADTが使えず、ジョンが2回歌って
オーバー・ダビングしたダブル・トラッキング・ボーカルである

(真実のビートルズサウンド P.368)

 


トライデントでの8トラック・レコーディングではADTが使えなかった。
リード・ボーカルをジョンが2回歌ってダブル・トラックにしている

 


【資料】

White Album(スーパー・デラックス・エディション 2018)
5-11

ヴォーカル、ギター&ドラムス

レコード・コレクターズ 2018年 12月 P.94)

 


White Album(スーパー・デラックス・エディション 2018)の5枚目11曲目に
リード・ボーカルとギターとドラムスのみのヴァージョンが収録されている

聞き比べても正規ヴァージョンと違いが指摘できないので
正規ヴァージョンの第1テイクだろう。

第1テイクのマスターからボーカルとギターとドラムスのみをミックスして
ジャイルズ・マーティンが新たに作成したヴァージョンだろう。