The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-252- 【Mother Nature's Son】
【 Mother Nature's Son 】 -4-
第1回録音でのポールの溢れる意欲と「Not Guilty」への低い関心について
○
【資料】
1968年8月9日
Mother Nature's Son
第1回録音
第1~25テイク
(ポールは)ほかのメンバーが帰ったあともスタジオに残り
Mother Nature's Sonのレコーディングを行う。
Blackbirdと同様ポール以外のメンバーをフィーチャーしない曲である
ポールはアコースティック・ギターとボーカルをライブ録りし
24回目のランスルーでベストを得る
(The Complete Beatles Recording Sessions P.183)
:
8月9日に第1回録音を行った。
他のメンバーが帰ったあとポールだけがスタジオに残って録音した。
ポールは一人でアコースティック・ギターとボーカルをライブ録りした。
25テイクを録り第24テイクをベスト・テイクとした。
○
【年表】
1968年8月9日
Not Guilty
第3回録音
Mother Nature's Son
第1回録音
:
この日はNot Guiltyの録音日でもあった。
Not Guiltyの録音は午後10時ごろに終了した。
他のメンバーは帰りポールだけが残った。
この曲は事前にポール一人で録音することが決まっていた。
○
【資料】
Anthology3に第2テイクが収められている
冒頭の会話からはポールの並々ならぬやる気が伝わってくる
(CD版 Anthology3 CD付属解説書 P.14)
:
午後10時からの録音だったがポールは意欲的だった。
その時間まではジョージの曲、Not Guiltyのオーバー・ダブをしていた。
ジョージはNot Guiltyの録音に不満だった。
ジョンとポールの二人の取り組みの姿勢に不満だった。
二人がNot Guiltyに真面目に取り組んでくれないことにジョージは不満だった
ジョージから見るとポールはNot Guiltyの録音には手を抜いていた。
悪意はないだろうが興味を持っていないとジョージには映った。
午後10時からの録音であるMother Nature's Sonではポールはやる気をみせている。
○
【歌詞】
第2テイクの冒頭の会話
Can you take this thing off my voice?
I've got,like,the speaker
I can hear
Ok,leave it on then,good
演奏後の会話
The next item on this evening's agenda
I've like to give you my version of Londonderry Air
:
スタッフに声をかけている。
指示する声は穏やかで張りがあり気力が充実している。
演奏後の会話で「ロンドンデリーの歌」をすると言っている。
気分もいいのだろう。とてもリラックスした雰囲気だ。
ポールは同じ日の録音であるジョージの「Not Guilty」には興味が薄いが
自分の曲「Mother Nature's Son」には意欲満々だ。
○
【資料】
White Album(スーパー・デラックス・エディション 2018)
CD5 セッションズ 6曲目
第15テイク
完成版とは歌い回しが異なる個所があって興味深い。
ブラスは入らない。
(レコード・コレクターズ 2018年 12月 P.95)
:
この日の第15テイクがWhite Album(スーパー・デラックス・エディション 2018)
CD5 セッションズ 6曲目で聞ける。
ジョンと決めたアレンジであるブラスはまだ録音していない
だから当然入っていない。
○
【資料】
この日の最初の方のテイクは完成版に近い
(Complete Beatles Audio Guide P.127)
:
このテイクに限らず残っている録音は全て完成版に近い。
最初からポールのボーカルとギターは変わっていない。
Esher Demos(イーシャー・デモ)から変わっていない。
Esher Demosでギター、ボーカルのアレンジは完成している。