Beatlemania's Blog ~ビートルズ研究~

ビートルズ・ファンがビートルズについて調べたことを書くブログ

The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。- 255- 【Mother Nature's Son】

Paul McCartney、ケン・スコット、George Harrison、George Martin



【 Mother Nature's Son 】 -7-

 


この時にポールとジョン、リンゴとは険悪だったのか

 


【年表】

1968年8月20日
Mother Nature's Son
第2回録音
完成

Yer Blues
第3回録音
完成

 


Mother Nature's Sonは8月20日の第2回録音で完成した。
ポールとマーティンとスタッフ、ブラス奏者が参加した。

Yer Bluesは同日の第3回録音で完成した。
この日の録音にはジョンとリンゴだけが参加した。

両者は別々に録音していたがスタジオで接した時に緊張が走った。
この出来事がビートルズのメンバー間の不和として資料によく記載されている

 


【資料】

1968年8月20日

ケン・スコットによると
ビートルズ内部がうまく行っていないことをはっきり感じさせる
こんな事件があった。


「ポールが階下でマーティンやブラス奏者たちとアレンジについて打ち合わせていた。
とてもいいムードでみんなご機嫌だったよ。

すると途中で不意にジョンとリンゴが入ってきた。

そのとたんスタジオの空気がぴーんと張りつめたんだ。雰囲気がガラリと変わった。
それが10分くらい続いてそのあと2人が出ていくとまた元のいいムードに戻ったのさ」

(The Complete Beatles Recording Sessions P.187)

 


Mother Nature's Sonの第2回録音。
ポールの楽器のオーバー・ダブとブラスの録音がされた。

ポールはマーティン、ブラス奏者、スタッフと録音していた。
とてもいいムードだった。これはAnthology3でのテイク2が証明している。

ジョンとリンゴが入ってきた時、緊張が走った。
資料ではビートルズのメンバー間の仲の悪さの現れとされている。

でもそうなのだろうか。これはポールとジョン、リンゴの間の緊張ではなく
ジョンとマーティン、スタッフとの間の緊張ではないか。

 


【年表】

1968年8月13日
Yer Blues
第1回録音
第1~14テイク

Sexy Sadie
第3回録音(100~111テイク)
再リメイク

1968年8月14日
What's The New Mary Jane
ジョンとジョージがレコーディング

1968年8月14日
Yer Blues
第2回録音

1968年8月16日
While My Guitar Gently Weeps
録音第2日目

テープに「ビートルズのプロデュースによるビートルズの録音」と
書かれている。
マーティンはプロデュースから外れていた

1968年8月17日~8月21日
ジョージ・ハリスンとパティがギリシャに旅行
8月19日(月)のセッションが中止になる

1968年8月20日
Mother Nature's Son
第2回録音
完成

Yer Blues
第3回録音
完成


ジョン、リンゴとポール、マーティンが出会った問題の8月20日
その1週間前からの年表である。

Yer Bluesの第1回録音があった。
今後、資料を読んでいくがYer Bluesはとてもうまく録音が進んだ印象だ。

同じ日にSexy Sadieのリメイクがある。
すでに検討したようにこの曲の録音時、ジョンとポールは非常に良好な関係だ。

ジョンとポールの仲のよいユーモアにあふれた会話がテープに残っている。
その内容が以下だ。

ジョンは冗談ぽく卑猥な歌詞で歌おうかと言っている。
ポールがこっちの方がいいねと返している。

ポールの返事もこのテープに残されているものだ。
ポールは度を過ぎたジョンの冗談を受け入れて楽しんでいる。

二人の間はとても和やかで元気で仲がいい。
一切の問題は感じられず以前からずっと続いている良好な関係だ。

8月14日のWhat's The New Mary Janeはジョンとジョージのみの録音
8月16日のWhile My Guitar Gently Weepsはジョンとポールの間には問題はない。

ジョンとポールの間には問題はないがマーティンはすでにプロデュースから
外れている。マーティンとビートルズ(ジョン)はうまくいっていない。

8月17日からジョージは突発的にセッションを休み休暇をとる。
ジョージはうまくいっていない。

以上のようにジョンとポールの間には問題点はない。
非常にうまくいっている。

マーティン、ジョージには問題点がみられる。
Mother Nature's Sonでの緊張はジョンとマーティンの間の緊張だ。

 

【資料】
午後5時から5時30分まではジョンとリンゴが第3スタジオでYer Bluesのために
リンゴのtwo,threeというカウントインの編集テープを録音し、それから二人は
ケン・スコットがRevolution 9のベスト・ステレオ・ミックスのコピーからの
モノ・マスターを作るようすを見学した。

(The Complete Beatles Chronicle 1965-1970 P.359)

 


ジョンとリンゴはYer Bluesの録音をしていた。
「two,three」のカウントを録音していた。

ジョンはどうしてもこのカウントを入れたかったのだろう。
わざわざこのことのためだけにスタジオに来た。

ポールは一人での録音ではマーティンやスタッフと仲良くうまくやっている。
この時点でポールとマーティンの間は良好だ。