The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-272- 【Rocky Raccoon】
【 Rocky Raccoon 】 -2-
ジョージは演奏していないのか、その理由は何か
○
【資料】
1968年8月15日
第1回録音
第1~9テイク
完成
ビートルズ全員がスタジオに集合
ベーシック・トラックはアコースティック・ギター(ポール)と
ドラムス(リンゴ)、ベース・ギター(ジョン)
第9テイクに別にベースとドラム・トラックをオーバー・ダブし
これを第10テイクにミックス・ダウンしてジョンのハーモニカ
ジョージ・マーティンのホンキー・トンク風ピアノ・ソロ、
ジョンとポールとジョージのバック・ボーカルを加える。
ジョージ・ハリスンは出番がまわってくるまで、コントロール・ルームで
手持ち無沙汰にしていた。
セッションの初めにケン・スコットの役目を横取りして自ら「第1テイク」と
アナウンスするあたりにも、それがうかがわれる。
(The Complete Beatles Recording Sessions P.185)
:
録音は1日で完了した。
4人のメンバーが全員録音に参加していた。
演奏はギター(ポール)とドラムス(リンゴ)とベース(ジョン)だった。
3人で演奏してベーシック・トラックを作成した。
ジョージは演奏していない。
Yer Bluesで素晴らしいギターを弾いたジョージがギターを弾かない。
ジョージはスタジオにさえ入っていない。
コントロール・ルームにいてすることがないので「第1テイク」とアナウンスした。
これはHey Judeのリハーサル・テイクの時と同じだ。
Hey Judeでは本番ではスタジオに入りギターを弾き削除された。
だからもうポールの意図に反し逆らってまでジョージはギターを弾かないだろう。
この曲でもポールはジョージのギターを不要と判断した
ポールがジョージのギターを不要と判断したという具体的な資料の記載はないが
ポールの要請があればジョージは喜んでギターを弾いただろうからだ。
ジョージはHey Judeのようにギターを削除されるという屈辱を受けたくない
ポールに対しては好きにしてくれ言うとおりにするよ、という気持ちだっただろう。
この曲でもポールにはバンド演奏をする気がない。
バンドとしてのジョージのギターを必要としていない。
○
【資料】
ここまでの録音曲
1 Revolution 1
2 Don't Pass Me By ★
3 Revolution 9
4 Blackbird ★
5 Everybody's Got Something to Hide Except Me and My Monkey
6 Good Night ★
7 Ob-La-Di,Ob-La-Da
8 Revolution
9 Cry Baby Cry
10 Helter Skelter
11 Sexy Sadie
12 While My Guitar Gently Weeps
13 Hey Jude (★)
14 Not Guilty
15 Mother Nature's Son ★
16 Yer Blues
17 What's The New Mary Jane
18 Rocky Raccoon ★
★:ジョージが演奏に参加していない曲
:
この時までに録音した曲の一覧
ジョージが演奏に参加していない曲に★印をしている。
ジョージが演奏に参加していない曲は18曲中6曲
3分の1を占める
Don't Pass Me Byはリンゴの曲だがレコーディングはポールが主導した。
Blackbird、Mother Nature's Sonはポールの一人多重録音
Good Nightはジョンの曲で演奏にビートルズは参加していない。
Hey Judeは演奏に参加はしたがポールにミックスでほぼ削除された
Rocky Raccoonはポールの曲でジョージのみが演奏に参加していない。
ジョージが演奏に参加してない6曲中ポールの曲、ポール関連の曲は5曲でほとんどを占める。
Good Nightはジョンの曲でオーケストラをバックにリンゴが歌う特殊な曲だから
実質ジョージが演奏していないのは全てポールの曲だ。
セッションの最初の頃の曲であるDon't Pass Me By、Blackbirdは
ジョンもジョージと同じく演奏に参加していない
だからジョージが多くのポールの曲で演奏してないことはわかりにくい。
カモフラージュされていて見えにくい。
しかし、Hey Judeからジョージは明らかにポールの曲で演奏していない。
Hey Judeではミックスの段階でギターを消去された。(★)とした。
Rocky Raccoonではジョージのみ演奏に参加していない。
Hey Judeから3曲連続でポールの曲でジョージは演奏していない。
ジョンの曲ではジョージが演奏していない曲は1曲もないことから
ポールが特別なのだとわかる。
ポールは一人多重録音が増えてバンド演奏から離れていった。
バンド演奏の曲でもジョージに演奏させないことが増えた。