The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。- 253- 【Mother Nature's Son】
【 Mother Nature's Son 】 -5-
第2回録音での完成、ポールは録音の過程で何に気づいたのか
○
【資料】
1968年8月20日
Mother Nature's Son
第2回録音
完成
第24テイクにオーバー・ダブ
第24テイクをリダクションして第26テイクとして、オーバー・ダブ
ドラムスのほかティンパニー、セカンド・アコースティック・ギター
それにブラスもオーバー・ダブ
(The Complete Beatles Recording Sessions P.186)
:
第1回録音のベスト・テイクにオーバー・ダブをした。
ドラムス、ティンパニー、セカンド・アコースティック・ギターをオーバー・ダブ
それに加えてブラスもオーバー・ダブした。
このブラスは6月11日にジョンが提案したブラスだ。
○
【資料】
ベストとされた第24テイクにドラム、ティンパニ、金管楽器、
それからアコースティック・ギターをもう一度ダビングして作られた。
セッションに参加したのはポールのほかには金管楽器の奏者たちだけである。
(CD版 Anthology3 CD付属解説書 P.14)
:
ドラム、ティンパニ、アコースティック・ギターは全てポールが演奏した。
ブラスは外部のミュージシャンに依頼した。
この曲で他のビートルズのメンバーは演奏していない。
2回の録音でこの曲は完成した。
ポールがブラス以外の全ての演奏をした。
ポールとブラス奏者だけだ。
一方、ポールのバンド演奏の曲は多数のテイクを必要とするものがあった。
Ob-La-Di,Ob-La-Daは他のメンバーがうんざりするほどテイクをくり返した。
しかしポール一人で演奏したBlackbird、Mother Nature's Sonは
テイクも少なくスムーズに短期間に録音が完了している。
○
【年表】
1968年6月11日
Blackbird
第1回録音
完成
1968年8月9日
Mother Nature's Son
第1回録音
1968年8月20日
Mother Nature's Son
第2回録音
完成
:
ポール1人で演奏した曲は今までの録音では2曲
Blackbirdは録音は1日で完成。Mother Nature's Sonは2日だった。
ポールは1人で演奏した曲が短時間で完成したうえに
素晴らしい出来であることに驚き喜んだだろう。
そこに自分の可能性の広がりを感じただろう。
感じたからこそポールは同様の1人での曲をこのセッションで多数録音した。
White Albumはそんなポールの1人での多重録音を
収録するのに最適なアルバムだった
White Albumはポールの1人での多重録音という扉を開いた。
ポールはとても気に入った。
ポールの初めてのソロアルバムは1人での多重録音にした。
1stソロアルバムはWhite Albumでの成功体験が基だ。
ポールはビートルズでのバンド演奏以外に1人での多重録音という曲作りを知った。
1人での多重録音の方が自由にできスムーズに完成し満足できることを知った。
○
【インタビュー】
アラン・ブラウン
ポールはドラムにオープン・エフェクトを欲しがっていたので
ぼくらは結局スタジオを出て廊下にドラムを据え、マイクをずっと
遠くにセットした。
(ビートルソングス P.144)
:
ポールはドラムの音に特別な効果を欲しがった。
だからドラムをスタジオから出して廊下で録音した。