Beatlemania's Blog ~ビートルズ研究~

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The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-282- 【Wild Honey Pie】

Paul McCartney



【 Wild Honey Pie 】 -2-

 


1968年8月20日の気まずい対面の本当の理由は何か

 


【年表】

1968年8月20日

Mother Nature's Son
第2回録音
完成

Wild Honey Pie
第1回録音
完成

Yer Blues
第3回録音
完成

 


8月20日にポールはMother Nature's Sonのオーバー・ダビングをして
録音を完成させた。

その後、Wild Honey Pieの第1回録音をして完成させる。
ポールはこの日で2曲を完成させる。

同じ日にジョンとリンゴは別室でYer Bluesの最初のカウント・インの
録音をしていた。

ポール側の録音をしていたポール、マーティン、スタッフと
ジョン、リンゴが対面した。

この時に雰囲気が悪くなり強い緊張感が流れた。
それはジョンと敵対するマーティンが対面したからだと思っていた。

本当にそうなのか。
他に本当の理由があるのではないか。

 


【資料】

1968年8月20日
Mother Nature's Son
第2回録音
完成

ドラムスのほかティンパニー、セカンド・アコースティック・ギター
それにブラスもオーバー・ダブ

(The Complete Beatles Recording Sessions P.186)

 

:
Mother Nature's Sonにポールは自ら楽器を演奏してオーバー・ダビングした。
ドラムス、ティンパニー、セカンド・アコースティック・ギターだ。

ポールはドラムを自ら叩いた。本番の録音でポールがドラムを叩いたのは
この曲で2曲目。1曲目はRocky Raccoonだ。

ポールはリンゴではなくポール自身がドラムを叩きオーバー・ダブした。
その録音現場にジョンとリンゴが入ってきた。

リンゴは自分以外が自分のドラムキットに座りドラムを叩いているのを
目の当たりにした。

リンゴは動揺しただろう。
リンゴが最も嫌うこと、他人がドラムを叩くことが目の前で展開していた。

リンゴには信じられない驚天動地の光景だ。
当然、雰囲気は悪くなり緊張が走る。

強い緊張感が走った理由はジョンとマーティンの敵対関係もあるが
ポールがドラムを叩いているのにリンゴが直面したことである。

 


【資料】

ポールはドラムスを録るときにオープン・エフェクトが欲しいと
考えた。それでスタジオを出て廊下の真ん中にドラムスをセッティングし
向こう側の端にマイクを置きました。
スタカートしてるみたいな面白い音が録れました

(The Complete Beatles Recording Sessions P.187)

 


Mother Nature's Sonのドラムスの音にポールはこだわった。
廊下にドラムスを出してドラムを録音した。

廊下にドラムをセッティングして叩くのは大掛かりで目立っただろう。
そこにリンゴが出くわし直面したのだろう。

 


【資料】

1968年8月20日
Wild Honey Pie
第1テイク
完成

ポールのワンマン・パフォーマンス

ボーカルとアコースティック・ギターを何度も重ねバス・ドラムを加えたもの
たった1テイクで録音を完了
これに数々のオーバー・ダブが行われている

(The Complete Beatles Recording Sessions P.187)

 


Mother Nature's Sonが完成してからこの日の2曲目の録音
ポールはWild Honey Pieを第1テイクで完成させた。

全てポールの演奏だった。
ギターを重ねドラムをオーバー・ダブした。

この日に録音したポールの2曲には共通点がある。
それは両方ともポールがドラムを叩いていることだ。

ポールが2曲続けて自らドラムを叩いているセッションの現場に
リンゴは遭遇した。

 


【資料】

ポールのワンマン・レコーディングである。
ドラムはバス・ドラムを一定のリズムで叩き、ギターのボディを
叩いた音にエコーをかけたものをその上にダビングしている。

The Beatles Sound Book Vol.3-2 Official Numbers 213 P.32)

 


ポールの一人多重録音だ。
ドラムはバス・ドラムをポールが叩いている