Beatlemania's Blog ~ビートルズ研究~

ビートルズ・ファンがビートルズについて調べたことを書くブログ

The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-366- 【Happiness Is A Warm Gun】

Abbey Road



【 Happiness Is A Warm Gun 】 -19-

 


ポールはこの曲をどのように受け止めたのか

 


【インタビュー】

ジョン

ぼくの傑作のひとつ

(ビートルソングス P.138)

 


ジョンは自ら自分の傑作と発言している。
ジョンの自信作だ。

 


【インタビュー】

私の最高のできの歌のひとつです。ほんとに好きなのです。
美しい歌だと思います。
この歌のなかには、それぞれちがったいろんなことがあるので、好きです。
たとえば、「神」のように、これは三つのちがった歌の一部分ずつを
つなげたものですが、なにを意図したのかというとあらゆる種類の
ロック・ミュージックを体験していくような感じがあるのです

ビートルズ革命 P.197)

 


自分の作品をけなすことが多いジョンには珍しく
この曲には最高の賛辞を呈している。

3つの違う曲をつなげたものとしている。
ここにはあらゆる種類のロック・ミュージックがあるとしている。

1stソロアルバムに入っている「God」も同様だとしている。
違う曲を組み合わせた組曲だということだろう。

 


【インタビュー】

ジョン

ドラッグよりもロックン・ロールのことを歌ってる
一種のロックン・ロールの歴史なんだ

(ビートルソングス P.139)

 


ドラッグ・ソングではない。
ロックン・ロールの歴史を表現している。

ジョンはロックン・ロールの歴史とまで言い切る。
相当な自信をこの曲に持っている。

 


【資料】

マッカートニー
この曲は「The Beatles」の中でも特に気に入ってる
ハリスンもアルバムの中のお気に入りのひとつに
この曲をあげている

(ビートルソングス P.139)

 


ポールのお気に入りの曲だ。
ジョージも気に入っている。

 


【資料】

ポールは68年のラジオ・ルクセンブルクのインタビューで
「一番好きなのはHappiness Is A Warm Gun」
と語った。

レコード・コレクターズ 2018年 12月 P.93)

 


ポールはインタビューでこの曲を一番好きな曲だと
発言している。

 


【インタビュー】

1968年11月20日
ラジオ・ルクセンブルク

ポール

ポールはWhite Albumの宣伝のためにリリース前日に
ラジオ・ルクセンブルクでインタビューを受けた。

ポールは自分の曲だけにコメントをしぼった。
ただ、一番好きだからという理由でHappiness Is A Warm Gun、
アルバム最後の曲だからという理由でGood Nightについては
インタビューを受けた。

Happiness Is A Warm Gunは歌詞が素晴らしいとコメントした。

(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.224)

 


そのインタビューがこれだ。
1968年11月20日アルバムのリリース前日にしたインタビューだ。

ジョン、ジョージ、リンゴはそれぞれ忙しく出席できなかった。
ポール一人がインタビューを受けている。

ポールはコメントを自分の曲だけとした。
自分の曲と他のメンバーの曲とを区分する意識がこのWhite Albumにはある。

アルバムの宣伝でのラジオ・インタビューで
ポールが自分の曲にしかコメントしない。

ポールはどの曲のコメントをしたくなかったのだろうか。
Revolution 9だろうか。あまりにもパーソナルなJuliaだろうか。

確かにこの2曲にはポールはコメントに困るだろう。
コメントしたGood Nightはパーソナルなジュリアの対極にある。

特別にHappiness Is A Warm Gunにはコメントした。
特別に言いたくなるくらいこの曲が好きで自慢したかったのだろう。

ポールがこの曲を賞賛し感嘆したのは間違いない。それならばもしもHey Jude
に代えてこの曲をシングルにする案があればポールは賛成しただろうか。

ポールは強行にRevolutionをシングルA面にすることに反対した。
そのために時代に呼応し共鳴したRevolutionはB面になった。

Happiness Is A Warm GunがシングルA面になっていれば後期ビートルズ
変わった。少なくともビートルズのイメージは変わった。

ファンも世間も驚いただろう。難解で意味不明の歌詞。次々に変化する曲調。
変拍子ポリリズム。ジョンのファルセットと共に美しく収束する最後

チャートの1位は逃しただろう。1位どころか放送禁止になっている。
でもジョンの心は再びしっかりとビートルズへと向いたはずだ。

 


【年表】

1968年8月30日

シングル「Hey Jude/Revolution」発売

1968年9月25日
Happiness Is A Warm Gun
完成

 


時系列的にこの曲はシングルにはなれない。
完成が遅かった。

 


【資料】

ポール
ボーカルもすごいし、歌詞もいいし、テンポがしょっちゅう
変わる面白い曲だ。ジョンらしい。

ポールとジョージはこのアルバムの中ではHappiness Is A Warm Gunが
一番のお気に入りだと発言したと報道されている

(真実のビートルズサウンド P.381)

 


ポールは賞賛している。
一番のお気に入りだと発言している。

ポールはリンダ・イーストマンが2回目の訪英をした日に
この曲を聞かせている。他人の曲だが自慢したいくらい気に入っていた。

 


【資料】

A Day In The Life以来のコラージュ手法だし
Abbey RoadのB面を予見しているとも言える

レコード・コレクターズ 1996年 11月 P.41)

 


組曲は斬新だった。
ポールは衝撃を受けて全身を持っていかれる。

ポールはAbbey RoadのB面を組曲で埋める。
ソロになってジョンと別れてからも組曲を作り続ける。

 


【資料】

いまでは「後期ビートルズを紐解く鍵」と
言われる作品だが、発売当時は「散漫だ」と
酷評され

ビートルズ 20世紀文化としてのロック P.230) 

 


発売当時はいい評価ではなかった。
酷評もあった。