The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-351- 【Happiness Is A Warm Gun】
【 Happiness Is A Warm Gun 】 -4-
「Happiness Is A Warm Gun」の言葉はどこから来たのか
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【インタビュー】
ジョン
ジョージ・マーティンから雑誌を見せてもらったんだ。
その表紙にHappiness Is A Warm Gunと書いてあったんだ。
(書籍 The Beatles Anthology P.306)
:
ジョンはマーティンから雑誌を見せてもらった。
その雑誌の表紙にHappiness Is A Warm Gunとあった。
○
【資料】
ジョージ・マーティンがアメリカの鉄砲雑誌の表紙をジョンに見せ
(ビートルズ百科全書 P.315)
:
マーティンがジョンに雑誌を見せた。
その雑誌はアメリカの鉄砲雑誌だった。
○
【資料】
ジョージ・マーティンがスタジオに置き忘れた銃専門誌の表紙に
書かれていたHappiness Is A Warm Gunというタイトルを見て
驚いたジョンが作った
:
この資料ではマーティンはジョンに雑誌を見せたのではなく
マーティンは雑誌を置き忘れていたとしている。
置き忘れていた雑誌の表紙をジョンがみて
書かれていたHappiness Is A Warm Gunの言葉に驚いて曲名に使用した。
ジョンはとても驚いたのだろう。そしてインスピレーションがわいたのだろう
この題名を得て一気に書き上げたのだろう。
○
【資料】
ジョンによるとこの曲のきっかけになったのは、レコーディング・スタジオで
ふと手に取ったアメリカの銃雑誌だった。
名著「ザ・ビートルズ大画報」の著者スティーブ・ターナーは
先ごろその雑誌を見つけ出した
「ジ・アメリカン・ライフルマン」誌の
1968年5月号がそれだ
(ビートルズ・リリックス名作誕生 P.345)
:
この資料でも雑誌はスタジオに置き忘れていたのを
ジョンが手にとって見たということになっている。
それはアメリカの銃雑誌だった。
「ジ・アメリカン・ライフルマン」誌の1968年5月号だ。
○
【資料】
スヌーピーとチャーリー・ブラウンの漫画がブロードウェイで
ショーになったときの歌
「ハッピネス・イズ・・・」のこれは駄じゃれなのである
(ビートルズ全曲解説(ティム・ライリー著) P.301)
:
スヌーピーの漫画がミュージカルになった。
そのミュージカルの挿入歌に「Happiness」がある。
Happiness Is ・・・
幸せとは「・・・」と並べていく歌詞だった。
スヌーピーはブームになっていた。
全米で知らない人がいないほど。
漫画に加えて「Happiness Is ・・・」をテーマにしたスヌーピーの本も
出版されて人気になっていた。
その中の言葉の一つが
「Happiness Is A Warm Puppy」だった。
銃の雑誌の表紙を飾ったHappiness Is A Warm Gunの言葉は
スヌーピーの「Happiness Is A Warm Puppy」をもじった駄じゃれだ。
その時に流行っていた言葉をもじって雑誌の表紙のタイトルにした。
インパクトがあって人目をひくいいタイトルだった。
○
【年表】
1967年
ミュージカル「You're a Good Man,Charlie Brown」
挿入歌「Happiness」
1967年12月~1968年1月
Kenwood Demos(ケンウッド・デモ)
Happiness Is A Warm Gun
1968年5月
「ジ・アメリカン・ライフルマン」誌の1968年5月号
Happiness Is A Warm Gunのタイトルが載る
:
スヌーピーのミュージカルは1967年に公開された。
その挿入歌にHappiness Is ・・・の歌詞をもつ「Happiness」があった。
1967年12月~1968年1月にジョンはHappiness Is A Warm Gunのデモを録った。
ジョンはこの時にはまだ雑誌のタイトルを見ていない。
だから当然Happiness Is A Warm Gunの言葉をまだ知らない。
当然、ここでのデモにはHappiness Is A Warm Gunの部分はない。
ジョンがデモを録って5ヵ月後の1968年5月に銃雑誌が出版される。
タイトルはHappiness Is A Warm Gunだった。
銃雑誌はスヌーピーの「Happiness Is A Warm Puppy」をふまえて
Happiness Is A Warm Gunとタイトルをつけた。パロディだった。
ジョンはおそらくスヌーピーの「Happiness Is A Warm Puppy」は
知らなかったのだろう。
知っていたら衝撃は受けない。パロディだから。
ジョンはパロディをさらに使いまわしたりはしない。
ジョンは銃雑誌が本気でHappiness Is A Warm Gunと掲げたと思った。
銃雑誌の本音、本気の言葉だと考えた。
それが人を撃った後の怖い意味だとしても、親子で狩猟に行った時の
いい思い出としての意味だとしても衝撃だったのだろう。
ジョンはインスピレーションを得たのだろう。
Happiness Is A Warm Gunの言葉を使って未完成だったこの曲を完成させた。