Beatlemania's Blog ~ビートルズ研究~

ビートルズ・ファンがビートルズについて調べたことを書くブログ

The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-350- 【Happiness Is A Warm Gun】

デレク・テイラー



【 Happiness Is A Warm Gun 】 -3-

 


デレク・テイラーによる歌詞の解釈について

 


【資料】

デレク・テイラー

1963年以来の仕事仲間

エプスタインは助手になってくれないかと依頼し、1964年4月に
引き受けた。

アップルの設立を決めるに際し、広報担当として招かれ

ビートルズ百科全書 P.704)

 


デレク・テイラーはデビュー後ビートルズと仕事をしていた。
1964年には助手としてビートルズのマネージメントをした。

1968年にはアップル設立時にビートルズの広報担当になった。
ビートルズと長く一緒にいた友人であり仕事仲間である。

彼はビートルズと一緒に仕事をしていて仲間でもある。
その彼がこの曲の歌詞に深く関わっている。

 


【資料】

She's not a girl who misses much

Happiness Is A Warm Gunの前半の作詞を友人らに手伝ってもらっていた時
(この時点で歌詞は半分できていた)

すごく頭のいい女性のことを何て表現したらいい?と聞いたジョンに対し
デレク・テイラーが父親の言った言葉を思い出して教えたのが、出だしの一文

この頭のいい女性とは、ヨーコのこと

ビートルズは何を歌っているのか? P.62)

 


ジョンは前半の歌詞を友人らと一緒に作成した。
友人の一人はデレク・テイラーだった。

ジョンは歌詞を完成させられていなかった。
半分ほどはできていた。

ジョンはオノ・ヨーコのことを歌詞にしようと考えた。
だから頭のいい女性を表わすいい表現を相談した。

デレク・テイラーは以前に父親が言った言葉を思い出して教えた。
印象に残っていた言葉だったのだろう。

その歌詞が出だしの一文である部分だ。
She's not a girl who misses much 

だからこの部分はジョンの言葉ではない。
ジョンの言葉でない歌詞であるから歌詞の真意を探るのは難しい。

この歌詞からわかるのは、ジョンがオノ・ヨーコについて歌っていること。
ジョンはオノ・ヨーコを頭がいいと考えていることだ。

 


【資料】

ビートルズの元PR担当のデレク・テイラーは何ヶ所か難解な部分の
解明をこころみた。

それによるとブーツに鏡をつけた男はそうやって女性のスカートの
なかを覗こうとした、マンチェスター・シティFCのサポーターのこと。

また
Lying with his eyes while his hands are busy working overtime
(目で嘘をつきながら、その手は超過勤務で忙しい)

は別の新聞記事―つくりものの手をカウンターに置きその間に
本物の手で盗みを働いていた男に関する記事が元ネタだった。

Mother Superior jump the gunについてはいまだに説明がついていない

ビートルズ・リリックス名作誕生 P.350)

 


この曲の歌詞はリリース当時から難解だった。
だから聴き手はなんとか意味を汲み取ろうと努力した。

その一つがデレク・テイラーによる歌詞の解釈の試みだった。
彼は歌詞の製作の現場にいて歌詞の一部を提供した。

また、ジョンと何年も一緒に働き一緒に行動していた。
彼以上にこの曲の歌詞を解釈できる人はいない。

彼は特に難解である2箇所について説明した。
彼が解釈した歌詞は以下の部分だ。

The man in the crowd with the multicoloured mirrors
On his hobnail boots

実際にいたマンチェスター・シティFCのサポーターの男の事件のことだった。
男はブーツに鏡をつけてスカートの中を覗いていた。

その男の事件の記事を読んで歌詞にしたのだろう。
アルバム「Sgt. Pepper's」のA Day In The Lifeの歌詞と同じ手法だ。

ジョンはA Day In The Lifeの歌詞を気に入っていたのだろう。
だから同じ手法を使って記事から歌詞を作った。

もう一つの難解な歌詞は以下の部分だ。
これも記事を読んで歌詞にしている。

Lying with his eyes while his hands are busy working overtime

デレク・テイラーによると一つ目の歌詞とは別の記事だった。
今までずっとこの2つの歌詞は続いている同じ話だと思っていた。

違うのだ。
この二つは違う記事からのもので独立しているのだ。

この部分の歌詞が難解なのも当然だ。
ジョンとは無縁な男の常軌を逸した行動の記事を歌詞にしただけなのだから。

ジョンが自分で考えた状況ではない。
記事を読んだだけなのだ。

2箇所とも記事から作った歌詞だ。この歌詞からいえることは
ジョンがこの記事の内容を面白いと感じたということ。

ブーツに鏡をつけてスカートの中を覗いていた男と
目で嘘をつきながら、その手は超過勤務で忙しい男は別の人物だということ。

ただし、ジョンが歌詞の創作の過程で2人の男を同じ男にして
同じ一連の話として歌詞を作った可能性は当然ある。つまり

ブーツに鏡をつけてスカートの中を覗いていた男が
目で嘘をつきながら、その手は超過勤務で忙しい

そうなると、男はスカートの中を覗きながら手を激しく
動かすということになり性的な描写となる。

これが裏の意味となるのだろう。
これで終わりなのか、それとも次の意味、トリプル・ミーニングがあるのか。

トリプル・ミーニングの存在を疑った時点でもうこの歌詞は訳せない。
この曲において満足させてくれる歌詞は作成不可能だ。

この曲の歌詞が難しい理由の2つ目。それはジョンが考えた
状況や言葉ではなく他人の言葉、記事からの引用だからだ。