The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-358- 【Happiness Is A Warm Gun】
【 Happiness Is A Warm Gun 】 -11-
なぜ演奏が難しいのか
○
【年表】
1968年9月23日
第1回録音
1968年9月24日
第2回録音
:
2日連続でベーシック・リズム・トラックを録音する。
2日間でベーシック・リズム・トラックを完成させる。
○
【資料】
リズム・トラックは70テイク録音された。
このセッションでは45テイク━ベース、ドラムス、ジョンのリード・ギターと
ガイド・ボーカル、ジョージのファズをかけたリード・ギターを録った。
そのあと、この曲をいかにプレイするか、
どの部分がやさしくてどの部分が難しいか、
といったことを話し合うビートルズの声が、テープに捉えられている
(The Complete Beatles Recording Sessions P.195)
:
2日間で70テイクを録音した。
1日目は45テイクを録った。
構成はポールのベース、リンゴのドラムス、ジョンのリード・ギター
ジョンのガイド・ボーカル、ジョージのファズをかけたリード・ギター
構成はビートルズの基本的なものだった。
演奏は同時にされたはずだ。
この曲は演奏が難しかった。
メンバーは話し合いながら演奏を決めていった。
○
【資料】
リズム・トラックをさらに25テイク録音。
ラインナップは前回のセッションと同じ。
ベスト・ヴァージョンは前半部分が第53テイク
後半は第65テイクだった。
そこでこれら2つのテイクを編集してベスト・テイクを作り
そのテープにオーバー・ダブを録音することに決定
(The Complete Beatles Recording Sessions P.196)
:
2日目は25テイクを録った。
構成は同じだ。
70テイク録った後でベスト・テイクを決めた。
前半のベスト・テイクは第53テイク、後半は第65テイクだった。
2つのテイクを編集してつないでベスト・テイクを作成した。
これでベーシック・リズム・トラックが完成する。
○
【資料】
三つの曲の断片をくっつけたことで完成を見たこの曲は
4分の4拍子のパートと4分の3拍子のパートがあるために
録音が難航し、テイクは70を数えた
(ザ・ビートルズ・マテリアル vol.1 P.110)
:
この曲は拍子が変わる。
演奏が難しい曲だ。
そのために録音は難しく70テイクを録音した。
拍子が難しいので話し合いながら合わせていかなくてはいけない。
時間が経てば忘れてしまって合わせられない。
だから2日という短期間で集中して完成させたのだろう。
○
【資料】
この曲もリズムだけで70テイク録っている。
つまり、最低でも軽く10時間はこの曲のリズム録りを
4人で行っていたわけで、このアルバムのころのレコーディングの
ハードさが伝わってくる。
(レコード・コレクターズ 1996年 11月 P.41)
:
ジョンはこの曲を本番の録音前に完成させていた。
スタジオで時間がかかったのは難しい演奏に手間取ったからだ。
この難しい曲を話し合いながら集中して2日間で完成させてしまう。
バンドのメンバー間の信頼感と曲への意識の高まりがある。
バンドは音楽的にとてもいい状態だ。
そうでないとこの演奏はできない。
ジョンとマーティンの溝は深いがマーティンは長期休暇中で
録音現場にいない。
ポールとリンゴの確執は解けている。
ポールとジョージの仲違いはくすぶりながら棚上げされている。
いい演奏をする、いい曲を作るという目的でバンドは一体となっている。
ジョンとポールの仲はよく他のメンバー間はほどほどだ。
それまでのビートルズもそうであり変わってはいない。
この時点で大きな問題はバンドにみられない。