Beatlemania's Blog ~ビートルズ研究~

ビートルズ・ファンがビートルズについて調べたことを書くブログ

The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-283- 【Wild Honey Pie】

プレイ・ボーイ・インタビュー1980完全版



【 Wild Honey Pie 】 -3-

 


ジョンはポールの一人多重録音をどう思っていたのか

 


【インタビュー】

ジョン

(ポールは)自分一人だけで別の部屋で録音したんだ。
あの時期は何でもそんな感じだった。
ぼくらがスタジオへ着くとあいつはもう一人で全部完成させてるんだ。
自分でドラムを叩いて、自分でピアノを弾いて、自分で歌ってね。

曲そのものは好きだよ。

それでも、ジョージの気持ちはわからないが、少なくともぼくは
ポールがぼくらを関与させずにさっさと何かをつくってしまったときは
いつも傷ついていた。

(プレイ・ボーイ・インタビュー1980完全版 P.330)

 


ジョンがポールの一人多重録音についてインタビューで語っている。
はっきりと自分の気持ちを語っている。

ジョンはポールの一人多重録音を受け入れているんだと思っていた。
それはジョンにも「Julia」という一人多重録音の曲があるからだ。

Juliaの印象が強くてジョンも一人多重録音をしているイメージがある。
でもこれは誤りだ。ジョンの一人での録音はこの1曲だけだ。

ジョンはポールの一人多重録音を、「ぼくらがスタジオへ着くとあいつは
もう一人で全部完成させてる」と表現している。

そしてジョンははっきりと言っている。
「いつも傷ついていた」

ジョンはポールの一人多重録音を受け入れてなんかいない。
ジョンはいつも悲しみ傷ついていた。

White Albumのセッションでポールが次々と一人で曲を
仕上げていくのを見てジョンは悲しく落ち込んでいた。

Blackbirdでのポールの一人多重録音のセッションで
ジョンはリハーサルを共にし助言をしポールの録音を助けた。

でもそれは一人での録音に賛同し共に推し進めたわけではない。
言えなかっただけなのだ。

悲しく傷つくのでやめて欲しいと言えなかった。
ジョンにとってはバンド演奏はとても大事で絶対的なものだったのだろう

だから8月20日にポールの一人多重録音の現場に対面した時
ジョンは悲しい気持ちになり苛立った。

ポールの一人での録音をジョンが嫌だったこと、
ポールがドラムを叩くのをリンゴが嫌だったこと

ジョンとマーティンの敵対関係
この3つが8月20日の対面時に強い緊張が走った理由だ。

 


【インタビュー】

ジョン


-あなたは自分だけで録音を済ませたことはないんですか。

ジョン
ないよ

-Julia

ジョン
それはぼくだ

(プレイ・ボーイ・インタビュー1980完全版 P.330)

 


このインタビューでインタビュアーも気づいたのだろう。
ジョンはジュリアを一人で録音をしているではないかと。

だからジュリアはどうなのかと質問した。
その答えは、一人での録音はしたことはない、Juliaは僕の曲だ、だった。

ジョンにJuliaを一人で録音をしたという自覚はない。Juliaの弾き語りは
ポールの一人多重録音とはジョンにとって根本的に異なるものなのだろう。

 


【資料】

ジョンとリンゴは別曲のレコーディング中。
ジョージは休暇
ということで本曲に参加しているのは作者であるポールのみだ。

レコード・コレクターズ 2018年 12月 P.79)



Wild Honey Pieの録音中にジョンとリンゴは別室で録音していた。
一方、ジョージは休暇で旅行中だった。