The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-284- 【Wild Honey Pie】
【 Wild Honey Pie 】 -4-
この頃ジョージはポールをどう思っていたのか。
○
【資料】
ジョージが演奏に参加していない曲
1 Revolution 1
2 Don't Pass Me By ★
3 Revolution 9
4 Blackbird ★
5 Everybody's Got Something to Hide Except Me and My Monkey
6 Good Night ★
7 Ob-La-Di,Ob-La-Da
8 Revolution
9 Cry Baby Cry
10 Helter Skelter
11 Sexy Sadie
12 While My Guitar Gently Weeps
13 Hey Jude (★)
14 Not Guilty
15 Mother Nature's Son ★
16 Yer Blues
17 What's The New Mary Jane
18 Rocky Raccoon ★
19 Wild Honey Pie ★
★:ジョージが演奏に参加していない曲
:
Wild Honey Pieはポールの一人多重録音だ。
Rocky Raccoonに続いてこの曲にもジョージは参加していない。
これでジョージはポールの曲に4曲連続で参加していない。
Hey Judeでギターを削られてからこの曲まですっとだ。
ジョージはどう思っただろう。
ポールとは一緒にやっていけない、と思っただろう。
一緒にバンドを続けられないとさえ思ったかもしれない。
少なくともポールに失望し距離ができただろう。
○
【年表】
1968年8月1日
Hey Jude
完成
1968年8月9日
Mother Nature's Son
第1回録音
1968年8月12日
Not Guilty
完成
1968年8月15日
Rocky Raccoon
第1回録音
完成
1968年8月16日
While My Guitar Gently Weeps
第2回録音
1968年8月17日~8月21日
ジョージ・ハリスンとパティがギリシャに旅行
8月19日(月)のセッションが中止になる
1968年8月20日
Wild Honey Pie
第1回録音
完成
:
ジョージは8月17日に突如セッションをキャンセルして休暇をとる。
ジョージを精神的に追い詰めた出来事を年表にした。
8月1日にHey Judeでギターを削除される。
8月9日にMother Nature's Sonで演奏がない。
8月12日にNot Guiltyが出来に不満でアルバムに収録しない。
8月15日にRocky Raccoonで演奏がない。
8月16日にWhile My Guitar Gently Weepsのセッションがうまくいかず
満足いく曲にならない。
原因のほぼ全てはポールだ。
こうしてジョージは逃避した。失踪したのだ。
ジョージが失踪し不在のなかでポールはWild Honey Pieを
一人多重録音で完成させる。
○
【資料】
ポール自身これをアルバムに入れるつもりでいたわけではないという。
が、当時のジョージの奥さま、パティが気に入っていたことから
収録されることになった
(レコード・コレクターズ 2018年 12月 P.79)
:
ジョージのポールへの思いは妻のパティには伝わっていなかったのだろう。
パティはこの曲を気に入っていた。
ジョージがこの曲を家に持って帰ってパティに聞かすとはとても思えない。
録音時にはパティはジョージと旅行中だからスタジオにはいない。
後日、パティは家ではなくスタジオでこの曲を聞いたのだろう。
パティはスタジオに来ていた。出入りしていた。
妻やガール・フレンドをスタジオに連れてきていたのは
ジョンとポールだけではなかった。