Beatlemania's Blog ~ビートルズ研究~

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The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。 -198- 【Sexy Sadie】

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George Martin, The Beatles



【 Sexy Sadie 】 -20-

 


スタジオでのメンバーとジョージ・マーティンとの口論

 


【資料】

1968年7月19日
録音初日

録音初日の夜のスタジオの様子が録音されて残っている。
その一部が映像版 Anthology 8に収録されている。

スタジオが緊張しているのがわかる。
ジェフ・エメリックがいなくなって3日後のセッションになる。

ジョージ・ハリスンジョージ・マーティンが口論している。

ケン・スコット:ジョージ(ハリスン)なんて言った?

ジョージ・ハリスン:マーティンの心配には及ばないって言った

ポール:そうだ

ジョージ・ハリスン:俺たちはこれをするためにここに来てる。それをだいなしに
したいんだったら。

ジョージ・マーティン:なんて言ったらいいかわからないよ、ジョージ。

ジョージ・ハリスン:ネガティブすぎるんだ

(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.191)

 


初日のスタジオの様子が録音されて残っている。
ジョージとジョージ・マーティンが口論している。

この口論はジョンが「ジョージ・マーティンがジョージにインターカムごしに
話していた部分はどこだ。たぶん録音されているはずだ」と言っていた口論だ。

ジョージは明らかに不機嫌でありジョージ・マーティンに感情をぶつけている。
ポールは横から「そうだ」(Right)と合いの手を入れてジョージの味方をする。

ジョージはかなり怒っている。録音をだいなしにしたいのかと
ジョージ・マーティンに食って掛かっている。

これまでだったらありえない状況だ。
明らかにジョンの混沌と叛乱の時代精神の影響にある。

影響を受けてジョンと共にスタッフと対立したのはポールだけではなく
ジョージもそうだったことがわかる。

一方マーティンは困惑している。
なんて言ったらいいかわからないと困惑した気持ちを直接表明している。

それに対してジョージはあなたはネガティブだと言葉を重ねている。
容赦がない。

メンバー3人とジョージ・マーティンの間は険悪だった。
ポールとジョージはWhite Albumのセッションの前まではそうではなかったはずだ。

ポールはジョージ・マーティンとの新しい音作りに満足していたし
ジョージのマーティンへの不満も資料として残っていないし推測する根拠もない。

でも現実はWhite Albumのセッションが開始されて7週間後のこの日
ビートルズのメンバー3人はマーティンと対立している。

ポールもジョージもマーティンをはじめとしたスタッフ、会社側に
反乱し闘争をしかけたジョン側に立っている。

ジョンはグループのリーダーとしてしっかり主導権を握っている。
いやおそらく主導権を取り戻したのだろう。

上記のこの会話の後にオノ・ヨーコの以下の発言が続く。
ビートルズならもっとまともなSexy Sadieをやれるはずだ」

メンバー3人とマーティンの対立があまりにひどすぎたのでさすがのオノ・ヨーコ
冷静になりなさいよととりなしたのだろう。