The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-131- 【Revolution】
【 Revolution 】 -10-
ジョンのメッセージである歌詞への世間の反応はどうだったのか
○
【資料】
問題になったのは、破壊活動について触れた一番の歌詞の部分
But when you talk about destruction
Don't you know that you can count me out
のくだりだ。
シングル・ヴァージョンには【in】の一言が続かない。
一部の左翼系新聞や雑誌はこの点を
「裏切り」とか「プチ・ブルの嘆かわしい泣き言」などと批判した。
(この日のビートルズ P.233)
:
ジョンが決めかねていた「count me out」の部分は問題になった。
左翼、革命を起こそうとしている人々の反感を買った。
ジョンの「暴力革命では僕を外せ」という主張が逆鱗にふれた。
ジョンの本心からの言葉が受け入れられず、ひどい言葉で批判された。
○
【資料】
すべてはgoing to be alrightというこの曲の最終的なメッセージも
強硬な革命派の逆鱗に触れ彼らはジョンのことを魂を売りはらった、
裕福なポップ・スターのひとりにすぎないと批判した。
(The Beatles Lyrics 名作誕生 P.326)
:
「count me out」の部分だけではなく「going to be alright」も批判された。
この言葉は、ジョンが自分や世界の人々をはげますために語りかけたものだ。
破壊や憎しみによって革命を起こそうとする人々に対して
「世の中はよくなってきてるじゃないか」と語りかけている。
この「going to be alright」という言いまわしは
ジョンのソロ・アルバム「ジョンの魂」の「Hold On」にもみられるもの
ジョンは世界をよくしていこうという部分では革命派と共通している。
その点では革命派を同志だと思っていただろう。
体制側と戦うつもりもある。ただし非暴力で戦うつもりだ。
意気込んで発表したメッセージが不評を買い落胆しただろう。
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【資料】
当のジョンはどうやら自分の考えを決めかねていたようだ。
彼はヴェトナム戦争や戦争全般に反対していたが、同時に暴力行為にも反対していた。
そしてそれがとりわけアメリカの革命派たちの神経を逆なでしたのである。
(The Beatles Lyrics 名作誕生 P.326)
:
ジョンは戦争反対の立場だった。それは生涯ぶれていない。
同時に暴力にも反対していた。それがアメリカの革命派の不評を買った。
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【資料】
シングル・ヴァージョンーテンポの速いロック・ナンバーーでの彼は
ことが破壊におよんだら、自分は勘定からはずしてくれと訴えていた。
もっとスローなアルバム・ヴァージョン、Revolution 1も歌詞はほぼ同一だが
彼は一つだけ単語を追加した
ー自分の立場をout/in(はずして/入れて)と併記したのだ。
(The Beatles Lyrics 名作誕生 P.326)
:
ジョンは世界をよくしていこうという部分では革命派と共通している。
ただ暴力は反対だった。手段が違っていた。
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【資料】
シングルがリリースされたときアンダーグラウンド系の新聞で
大変な不興を買ったくだり
- dont you know that you can count me out
(悪いけどぼくは勘定からはずしてくれ)
もふくまれている
(The Beatles Lyrics 名作誕生 P.326)
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ジョンは本物の反体制だった。それはジョンの本質そのものだ。
すべてのものに反対する人間性であり性であった。
体制に反対し、革命を希望する反体制側も批判した。
そのジョンの姿勢は受け入れられず革命派の大変な不興をかった。