The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-130- 【Revolution】
【 Revolution 】 -9-
ジョンは暴力革命に賛成なのか、反対なのかを歌詞の変化から考える
○
【資料】
最初にリリースされたRevolutionのヴァージョンはHey JudeのB面曲だった。
(The Beatles Lyrics 名作誕生 P.326)
:
「Revolution」には3曲ある。
Revolution 1 とRevolution 9 とRevolution(シングルB面) の3曲だ。
そしてもう1曲異なるヴァージョンがある。
それはRevolution(シングルB面)のプロモーション・フィルム(PV)のヴァージョンだ。
録音された順番は
Revolution 1 → Revolution 9 → Revolution(シングルB面)→ Revolution(PV)
最初にリリースされたのはリメイクして録音された
Revolution(シングルB面)だった。
だから世間のみんなが聞いたのはRevolution(シングルB面)が最初だ。
最初だしB面とはいえシングルだからインパクトは一番強かっただろう。
○
【歌詞】
Revolution(シングルB面)
But when you talk about distruction
Don't you know that you can count me out
:
シングルでは「count me out」となっている。
意味は「暴力革命では僕を外せ」ということ。
このシングルを世間は最初に聞いた。
だからジョンは暴力革命に反対の立場なのだと誰もが思っただろう。
だがその前に録音されたアルバム収録のRevolution 1では歌詞が違っていた。
最初の録音では違う歌詞を歌った。
○
【歌詞】
Revolution 1(アルバム収録)
Revolution(PV)
But when you talk about distruction
Don't you know that you can count me out 【in】
:
アルバム・ヴァージョンのRevolution 1とPVヴァージョンのRevolutionでは
歌詞は「count me out 【in】」だった。
意味は「暴力革命に入れろ」ということ。
ジョンは同じ曲で歌詞を変えて歌った。
これを時系列に直すと録音順に以下となる。
count me out 【in】 (Revolution 1(アルバム収録))
↓
count me out (シングルB面)
↓
count me out 【in】 (プロモーション・フィルム)
ジョンは非常に迷っている。
メッセージソングなのに正反対の意味で3回も発表してしまっている。
最後まで決められない。
ジョンのソロ「イマジン」の歌詞を考慮するとジョンの本心は「count me out」だろう
3曲ともここまでは一緒だ。これは本心だから一緒なのだろう。
問題はその後に加えられる【in】
俺も闘う。ジョンは一緒に闘いたいという気持ちはあった。
でもそれは暴力ではなかった。でも現実をみると暴力以外に手段がない。
でも本心から戦いたい、手段がない、暴力しかないのか、それは嫌だ。
その行き着いた先が、加えられた【in】なのだろう。
ジョンは理想主義だ。ジョンの考えは、みんなが変われば世界は変わるというもの。
私はジョンの本心だからcount me outでいいと思う。
迷っているのもジョンそのものだから【in】が加えられてもいい。
どちらのジョンも本当のジョンなのは確かだ。
○
【資料】
手書きの歌詞の写真
彼ははっきりとcount me outと書いている。
(The Beatles Lyrics 名作誕生 P.328)
:
ジョンの自筆の歌詞がある。(写真の6行目。タイプライターで打たれている)
その写真を見るとジョンははっきりと「count me out」としている
「count me out in」とは書かれていない。
「in」は、ない。
ジョンのもともとの歌詞は「count me out」だった。
でも、いざRevolution 1を録音するとなった時に迷ったのだろう。
どちらにも決めかねた。
だから「count me out」の後に【in】を加えた。
○
【インタビュー】
ジョン
アングラ左翼はoutといったやつしか問題にしようとしない。
結局LPに入ったオリジナル・ヴァージョンではinとも言っているのに。
確信がなかったから両方入れたのさ
(ビートルソングス P.126)
:
ジョンは確信がなかった。
どちらがいいのか最後まで確信を持てなかった。