The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-364- 【Happiness Is A Warm Gun】
【 Happiness Is A Warm Gun 】 -17-
I need a fix の部分の1回目はいつなくなったのか
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【資料】
1968年9月25日
第3回録音
完成
午前5時から6時15分まで、完成したテープのモノ・ミックスを作った
(The Complete Beatles Chronicle 1965-1970 P.366)
:
録音は第3回録音で完成した。
完成した後、午前5時から6時15分にモノ・ミックスが2つ作成された。
○
【年表】
1968年9月25日
モノ・ミックス 1,2
1968年9月26日
モノ・ミックス 3~12
1968年10月15日
ステレオ・ミックス 1~4
:
その翌日の9月26日にはモノ・ミックスが再度作成された。
翌月の10月15日にステレオ・ミックスが作成された。
○
【資料】
ジョンのリード・ボーカルがADT処理された際に
I need a fixの部分のジョンのボーカルが最初の半分が消された。
ステレオ・ミックスでは少し残っている
(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.214)
:
もともとI need a fixの部分は2回繰り返していた。
第19テイクは2回繰り返して歌っている。
最初から2回繰り返していたのだろう。
それが収録版では最初の1回目がなくなり2回目だけになった。
9月25日、第3回録音のボーカルのオーバー・ダブでは
それまでと同じようにジョンは2回繰り返し歌っていた。
だから1回目がなくなったのはミックスの段階だ。ミックスで
ジョンのリード・ボーカルがADT処理された時に1回目が消去された。
その証拠がステレオ・ミックスに残っている。
ステレオ・ミックスでは1回目のボーカルの最後の部分が少し残っている。
ジョンはボーカルのオーバー・ダブでも2回繰り返し歌っていた。
ミックスの段階で1回目はない方がいいことに気づいた。
だから消去された。その理由はバックで弾いているジョージの
ファズ・ギターのソロがすばらしいからだろう。
もともとはファズ・ギターのボリュームをおさえて
ジョンのリード・ボーカルと一緒に演奏していた。
第19テイクを聞いてもそうなっている。でもミックス段階でジョージの
ファズ・ギターが素晴らしいことに気づきフィーチャーしたのだろう。
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【歌詞】
第19テイク
I need a fix cause' I'm going down
Down to the bits that I left uptown
I need a fix cause' I'm going 【down】
I need a fix cause' I'm going down
Down to the bits that I left uptown
I need a fix cause' I'm going down
:
第19テイクでは2回繰り返されている。
最終のミックス段階で1回目が消去されている。
ステレオ・ミックスでは1回目の最後の【down】が聞ける。
消し忘れたために残っているからだ。
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【資料】
このヴァージョンはリリースされたヴァージョンとは多少異なる
I need a fixで始まる数行のボーカルをADT処理するときに
ジョンのボーカルから最初の1行を削り、この部分をインストゥルメンタル
にすることにしたためだ。
ボーカルの1行目の消し方がわずかに足りず
レコードではこの行の最後のdownという言葉が聴き取れる
(The Complete Beatles Recording Sessions P.196)
:
オーバー・ダブのヴァージョンでジョンは2回繰り返し歌っている。
ミックス段階で1行ではなく1回目を全て削っている。
ステレオ・ミックスでは最後のdownという言葉が聴き取れる。
モノ・ミックスでは聞き取れない。
White Albumのリリース当時モノ・ミックス優位であるから
ステレオ・ミックスでは雑にされたからかもしれない。
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【資料】
ステレオではI need a fixに入る前にジョンのdownという声が
フェイド・インするがモノには入らない。
(ステレオではミキシングのミスで消し損なった)
(The Beatles Remastered CD Guide P.144)
:
ステレオ・ミックスではミスで消し損なった。
モノ・ミックスは綺麗に消されている。