The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-339- 【Piggies】
【 Piggies 】 -4-
Tax Manから繋がるジョージとジョンの反体制の精神について
○
【資料】
彼はこの曲を1966年に書き始めていた
(ビートルソングス P.140)
:
ジョージはこの曲を1966年に書き始めた。
1966年はTax Manを録音した年だ。
そして1968年の5月までに完成させた。
この曲にはイーシャー・デモがある。
○
【資料】
ボーカルはダブル・トラックでとられている。
歌詞を少し変えてWhite Albumに収録された
(Anthology 3 CD付属解説書 P.10)
:
イーシャー・デモはダブル・トラック
収録されたヴァージョンとは歌詞が少し違っている。
○
【歌詞】
Clutching forks and knives to cut their pork chop
→Clutching forks and knives to eat their bacon
:
上段がイーシャー・デモ。
下段が収録ヴァージョン
イーシャー・デモではcut their pork chopとなっている。
元々はあばらを切り取るという歌詞だった。
お互いに切り合う、奪い合うという意味合いが強かった。
それがセッション中か直前に変更されてeat their baconになった。
○
【資料】
イーシャー・デモ
モノ・ミックスでCD版 Anthology3に収録された。
ジョンがdamn good whackingでコーラスをつける
この部分の詩はジョージの母が提供した。
(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.170)
:
イーシャー・デモのヴァージョンはCD版 Anthology3の
1枚目の8曲目に収録されている。
ジョンがdamn good whackingでコーラスをつけている。
この歌詞が気に入ったのだろう。強調している。
この部分の歌詞はジョージでもなくジョンでもなく
ジョージの母が作っている。
○
【資料】
この曲はジョージのTax Manの子供といってもよく、お金や社会的地位を
いちばんに考える人たちをモラル的に責めた曲
(ビートルズ全曲解説(ティム・ライリー著) P.305)
:
1966年に作ったジョージの曲、Tax Man
Piggiesも同じ年に着想された。
ジョージによる同じ系統の曲だ。
お金や社会的地位を大事にする世俗的社会を批判している。
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【インタビュー】
ポール
Tax Manはいかにもジョージらしい曲だね。
ジョージなんてすぐに税金なんて払いたくないって言う
フェアじゃないだろと。
そこから彼のすばらしい歌詞が出てきたわけ。
あれはジョージの怒りだよ
(書籍 The Beatles Anthology P.206)
:
Piggiesに関するメンバーの発言は見つけられなかったので
Tax Manに対する発言をみる
ポールはTax Manをジョージらしいと発言する。
ジョージは税金をこんなに払いたくない、公平ではないと言う。
彼の怒りが歌詞に表れているとポールは言う。
ポールにとってのジョージは社会の制度に苛立つ人物だ。
○
【インタビュー】
ジョン
Tax Manは税金に抗議する反体制ソングだよ。
歌詞はジョージが書いて僕もちょっと手を貸した。
僕は抗議するね。
どうして僕がこれほどの金を政府に払わなきゃいけないんだ
(書籍 The Beatles Anthology P.207)
:
一方のジョンのTax Manへの発言。
Tax Manは反体制だとしている。
Tax Manはジョージが書いてジョンが手伝った。
Piggiesと同じだ。
ジョンも税金の支払いに異議があり苛立っている。
ジョージと同じ気分だ。
ジョージとジョンは2人とも反体制の考え方を持っている。
だから意気投合しPiggiesの歌詞を2人で書いたのだろう。