Beatlemania's Blog ~ビートルズ研究~

ビートルズ・ファンがビートルズについて調べたことを書くブログ

The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-326- 【I Will】

single,Heart Of The Country



【 I Will 】 -10-

 


なぜベースを口ベース(スキャット)で入れたのか

 


【資料】

1968年9月17日
第2回録音
完成

バック・ボーカル、ベースの音を真似た低音のスキャット
セカンド・アコースティック・ギターをオーバー・ダブ
(すべてポール)

(The Complete Beatles Recording Sessions P.194)

 


楽しい第1回録音でのベーシック・リズム・トラックの翌日に
ポールは一人でオーバー・ダブをして完成させた。

バック・ボーカルと口ベース(スキャット)と
セカンド・アコースティック・ギターをオーバー・ダブした。

 


【資料】

ベース・ギターそのものはいっさい入っていない

ビートルズ全曲解説(ティム・ライリー著) P.306)

 


この曲でポールはベースを弾いていない。
ベースに聞こえるのは口ベース(スキャット)だ。

 


【資料】

ギターの音はADTではなくポールがちゃんと2回レコーディングした
音である。

(真実のビートルズサウンド P.175)

 


ポールが自らセカンド・アコースティック・ギターをオーバー・ダブした。
ADTではない。

 


【資料】

ポールはハーモニー、セカンド・アコースティック・ギター、マラカス
ボーカルでのベースを全て自分で行った。

(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.212)

 

:
もともとこの曲は、ポールは弾き語りにするつもりだった。だからジョージは
参加していないし、ジョンはパーカッションだけで見守っていた。

それがリンゴが脱退からバンドに復帰した直後というタイミングだったために
リンゴのドラムを入れざるを得なくなった。

リンゴがドラムを叩くことへの決意は固い。
とてもドラムを叩かないようにとの説得はできない。

リンゴもわかっていただろう。
この曲がポールの弾き語りの曲だとわかっていた。

でもリンゴも譲らない。ドラムを叩くのは自分だと、全曲でドラムを叩くとの
意思表明のために正式にドラム・キットに座って演奏した。

Hey Judeではジョージのギターをばっさりと削除したポールでも
このリンゴのドラムを削除はできない。

結果、ポールの弾き語りにリンゴのドラムとジョンのパーカッションとなる
ポールは最終的にどのようなアレンジにしようかと考えただろう。

本格的なバンド・サウンドには今さらできない。
ジョンがギターを弾いていない。

とはいっても当初の予定通りに弾き語りにもできない。
リンゴのドラムを削除できない。

その結果、バランスをとったアレンジにした。
バンド・サウンドでもなく弾き語りでもない。

そのためにベースは口ベース(スキャット)にした。
これだとバンドでもなく弾き語りでもない演奏に調和する。

 


【資料】

ポールは「ラム」の「故郷のこころ」で口ギターもやっている

The Beatles Remastered CD Guide P.151)

 


ポールは2ndアルバム「ラム」の7曲目「故郷のこころ」で
口ギター(スキャット)をしている。

ポールはスキャットがとてもうまいが
実際にしている曲は多くはない。

口ベース(スキャット)はI Will
口ギター(スキャット)は「故郷のこころ」だ。

 


【資料】

「故郷のこころ」

BlackbirdやMartha Wy Dearの系譜に属するアコースティック・ナンバーだが
スキャットを織り交ぜながらも正面切ってカントリーと言ってしまった

カントリーの常識を覆したカントリー・チューン

レコード・コレクターズ 2012年 7月 P.69)

 


ポールがスキャットをしたもう1曲である「故郷のこころ」
ポールのアコースティック・ギターでの弾き語りを中心にした曲だ

間奏でスキャットでギターを真似ている。
一緒にギターをユニゾンで弾いている。

「故郷のこころ」はポールのスキャットを織り交ぜた曲であり
ポールが自作したカントリーだ。原題は「Heart Of The Country」

ポールは弾き語りを中心にしたカントリー曲では
スキャットを入れるのが好きだ。

ポールにとってI Willは弾き語りのカントリー曲だった。
だからスキャットを入れた

 


【資料】

4トラックでレコーディングされたテイク67は
あとでオーバー・ダビングするために8トラックに
コピーされテイク68とされた

(The Complete Beatles Chronicle 1965-1970 P.365)

 


第67テイクがベスト・テイクだった。
第67テイクをオーバー・ダブ用に8トラックにコピーした。

67回も録音した。
とても楽しいセッションだっただろう。