The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-193- 【Sexy Sadie】
【 Sexy Sadie 】 -15-
録音初日のリハーサル・テイクに残された卑猥な歌詞について
○
【資料】
ジョンがいろいろな歌詞を歌うリハーサルが残されている。
その中で、マハリシを歌っているものがある
Who the fuck do you think you are?
Oh,you fucking cunt !
ジョンは冗談ぽくこう歌おうかと言う。
ポールがちょっといいね(With a little more sympathy)と返す。
(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.191)
:
1968年7月19日、初日のセッション。
録音の合間のリハーサルも音源が残っている。
スタジオでのジョンのちょっとした歌を全て録音したテープ
そのテープからおこしたものだ。
その中にジョンが冗談で卑猥な語を満載してマハリシを
直接批判する歌詞に変えて歌っているものがある。
ジョンは冗談ぽく卑猥な歌詞で歌おうかと言っている。
ポールがこっちの方がいいねと返している。
ポールの返事もこのテープに残されているものだ。
ポールは度を過ぎたジョンの冗談を受け入れて楽しんでいる。
二人の間はとても和やかで元気で仲がいい。
一切の問題は感じられず以前からずっと続いている良好な関係だ。
○
【歌詞】
Maharishi,
You little twat
Who the fuck do you think you are?
Who the fuck do you think you are?
you fucking cunt
(The Complete Beatles Recording Sessions P.178)
:
cuntは最大級の卑猥なスラングだ。fuckを連発する歌詞
マハリシへの非難と怒りをぶつけたのだろう。
題名は「Maharishi」とそのままだ。
彼への抗議と悪口の歌だ。
○
【資料】
7月19日の不完全なテイクが2つとその他テイクが
「Complete controlroom monitor mixes vol.1」
という名前のテープとして残っている。
そこにはジョンとポールのやりとり、メンバーのプレイバックを聞いての発言
スタッフとの会話が残っている。
(Complete Beatles Audio Guide P.129)
:
コントロール・ルームのモニターを録音したテープとして音源が残っていた。
そこにはちょっとしたリハーサルのテイクやスタッフ、メンバー間のやりとりが残っている
そこに卑猥な歌詞のヴァージョンも録音されていた。
マハリシを歌った卑猥な歌詞はこのテープから知られるようになった。
マハリシと実名で歌った歌詞はすでにEsher Demos(イーシャー・デモ)で
Sexy Sadieに変更されている。
この初日の録音でもちゃんとしたテイクはSexy Sadieと変更後の歌詞を歌っている。
当然、この日のテイク6であるAnthology3の1-15曲目も変更後の歌詞を歌っている。
ジョンはまだマハリシへの怒りが収まっていなかったのだろう。
ちょっとしたリハーサルで卑猥な歌詞を歌っている。
ポールはそれを楽しんでいる。おそらく笑顔だろう。
二人はとても楽しそうだ。
White Albumのセッションではずっとテープを回していたために残っていた。
この音源は正規ではリリースされていない。
ブートレグかYou Tubeでしか聞くことができない。
「Who the fuck do you think you are?」と歌うジョンの歌声を聞くことができる。
ジョンは本当に歌っている。ジョンは心から楽しんでいる。
ジョンの心身は絶好調なのだろう。
でもまさか後世にこの歌詞が多くの人に
聞かれるとは思っていなかっただろう。
White Album以前のビートルズがこんな歌詞を歌うことは考えられない。
ジョンはWhite Albumで本来の姿に戻っている