Beatlemania's Blog ~ビートルズ研究~

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The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。- 259- 【Yer Blues】

The Beatles



【 Yer Blues 】 -3-

 


ジョンの好調とバンド演奏へのこだわり

 


【年表】

1968年7月24日
Sexy Sadie
第2回録音

1968年8月13日
Yer Blues
第1回録音

Sexy Sadie
第3回録音(100~111テイク)
再リメイク

1968年8月14日
Yer Blues
第2回録音

What's The New Mary Jane
完成

 


7月24日にジョンとビートルズはSexy Sadieを録音した。
その後、Hey Judeを録音完成させ、続けてNot Guiltyを録音した。

しばらくビートルズはジョンの曲を録音しなかった。
8月13日にYer Bluesを録音したので、それまでの18日間ジョンの曲を録音していない。

ジョンはアイデアもたまり自分の曲を録音したくてたまらなかったのだろう。
8月13日にはSexy Sadieの再リメイクもしてリズム・トラックを完成させている。

この日にはYer Bluesのリズム・トラックも完成しているので
1日で2曲のリズム・トラックを完成させた。

翌8月14日にはYer Bluesをほぼ完成させた後にWhat's The New Mary Janeを
録音して完成させている。

ジョンはハイペースで自分の曲を録音し完成させていっている。
ジョンは充実している。気分が乗っていたのだろう。

 


【資料】

これまでの録音曲

1 Revolution 1
2 Don't Pass Me By
3 Revolution 9
4 Blackbird
5 Everybody's Got Something to Hide Except Me and My Monkey
6 Good Night
7 Ob-La-Di,Ob-La-Da
8 Revolution
9 Cry Baby Cry
10 Helter Skelter
11 Sexy Sadie
12  While My Guitar Gently Weeps
13 Hey Jude
14 Not Guilty
15 Mother Nature's Son
16 Yer Blues

 


ここまでのセッションで16曲が録音された。
この中でジョンの曲は8曲。最多だ。

ジョンは前作とは違って好調だ。
素晴らしい曲が次々と出来上がっていく。

ジョンのボーカル曲はリンゴに歌わせたGood Nightを除くと7曲。
バンド演奏は6曲。ほとんどを占める。

ポールは半分がバンド演奏ではなかった。弾き語りと多重録音だ。
ジョンはバンド演奏から離れていない。

2人は弾き語りを増やしていこうと決めていたわけではない。
ジョンはライブでのバンド演奏による録音を堅持している。

バンド演奏でないのはRevolution 9。オノ・ヨーコに影響された曲だ。
次の録音のWhat's The New Mary Janeもバンド演奏ではない。

ポールはバンド演奏以外の曲は弾き語りだった。
一方ジョンにとってはオノ・ヨーコに影響された混沌と叛乱に満ちた前衛だった。

ジョンも曲数は少ないがビートルズ以外の新しい世界を持った。
ジョンもポールと同じくバンド以外の新しい曲作りの方法を得た。

 


【資料】

1968年8月13日
第1回録音
第1~14テイク

最初の14テイクはドラムス、ベース、リズム・ギター、リード・ギターの
ベーシック・トラック

第16テイクは第6テイクのリダクション
第17テイクは第14テイクの一部のリダクション

初めて4トラック・テープそのものを編集

第16テイクの終わりと第17テイクの初めをつなぎ合わせた。

この継ぎ目は3分17秒のところにあり、そこからフェイド・アウトするまでが
第17テイク

(The Complete Beatles Recording Sessions P.184)

 


8月13日の第1回録音でビートルズは14テイクを録音した。
リンゴのドラム、ポールのベース、ジョンとジョージのギターという構成

ライブ録音だろう。
ライブでベーシック・リズム・トラックを録音した。

完成版は2つのテイクを繋げて編集している。
最初から3分17秒までが第6テイクであり、その後のアウトロが第14テイクだ。

4トラック・テープそのものを編集するのは初めて。
それまでは2トラック・テープにしてから編集していた。

 


【資料】

White Album(スーパー・デラックス・エディション 2018)
CD5枚目 7曲目

テイク5 ウイズ・ガイド・ボーカル

ガイド・ボーカルが小さくて完成版のエンディングの「遠い声ヴァージョン」が
丸一曲楽しめる。
完成版にないジョージのギター・ソロも楽しめる

レコード・コレクターズ 2018年 12月 P.93)

 


White Album(スーパー・デラックス・エディション 2018)で第5テイクが聞ける。
ガイド・ボーカルが全編に入っている。