The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-190- 【Sexy Sadie】
【 Sexy Sadie 】 -12-
歌詞を偽ったことでの効果はどうだったのか。
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【資料】
当時は男たちに誘いをかけすっかりその気にさせておいてから
全員をコケにする女性の曲だとばかり思っていたが、われわれはその後、
これが女性ではなくマハリシのことをうたっていた曲だと知らされる
(ビートルズ・リリックス名作誕生 P.377)
:
リリース当時はマハリシを非難した歌詞だということは広まっていなかった。
歌詞のとおり表面上の意味である性悪な女性を非難した曲だと思われていた。
ビートルズの近くで取材をしていたこの本の筆者がそうだったのだから
一般の聴衆、メディアもそうだったのだろう。
普通の男女間のことを歌った歌詞だと思われていたはずだ。
インド旅行で教義の指導を受けた導師への怒りと非難だとは思われなかった。
歌詞を偽った効果はあった。
偽るように進言したジョージの狙い通りになった。
○
【資料】
ポールは、言葉を控えた歌詞よりもこっちのほうがいいんじゃないか、と言っている。
(The Complete Beatles Recording Sessions P.178)
:
録音第1日目、ジョンがポールに歌詞を変えて歌って聞かせる。
この曲の歌詞を卑猥な言葉をふんだんに使って披露する。
ポールは卑猥な言葉が満載のマハリシを非難する歌詞を聴いて
このほうがいいと言っている。ポールにはうけている。
ポールはジョンの悪乗りをさらにエスカレートさせる。
どんなことでも全面的に賛成して一緒に楽しむ。
それは若い頃からずっと変わってはいない。
ポールはジョンさえいれば怖いものはない。
○
【インタビュー】
(Sexy Sadieはマハリシのことですか)
ジョン
マハリシのことですね。
私は主張を曲げてしまった。
マハリシよ、おまえはなにをしてくれたのだ、みんなをかついだなとは
書けなかった。
マハリシがミア・ファローを強姦しようとした
ほかもなん人かやってしまおうとしたことに関して大きなさわぎがあった
彼はこの野郎殺してやるぞというような顔をしました
(ビートルズ革命 P.78)
:
ジョンはマハリシを非難する歌を作ったが主張を変えてしまった。
マハリシへの非難をそのまま歌詞にしなかった。
ジョンは主張を曲げてしまったことを自覚している。
裁判を恐れて自分の主張を引っ込めたことを覚えている。
それはジョンの心に引っかかっている。
歌詞を変えたことを後悔し最も気にしていたのはジョン自身だろう。
○
【歌詞】
Sexy Sadie, what have you done
You made a fool of everyone
The world was waiting just for you
:
私は美人のセディーへの恨み唄だと思っていました。
それで意味は通じていますからね。
The world was waiting just for you
の部分は確かに変ですね。
「世界中があなたを待っていた」
ジョンはマハリシの裏切り行為は許せなかったがマハリシが素晴らしい教義を
持っていたことには敬服しておりそれはこの時も変わってはいない。