Beatlemania's Blog ~ビートルズ研究~

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The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-162- 【Helter Skelter】

 

【 Helter Skelter 】 -1-

 


今の感想

 


このセッションでの録音10曲目。
ポールの曲

 


Helter Skelterの完成ヴァージョンはほぼ1日で完成している。
この頃のポールの他の曲、例えばOb-La-Di,Ob-La-Daと比べると極端に早い。

ポールがこの曲で目指したものは騒がしい不協和音とノイジーで満たされた
聞くに堪えない曲であり、その願いはかなえられた。

4人で演奏して思ってもみない演奏が生まれる騒々しいバンドの音
騒がしいRock'n Roll。エネルギーの溢れる初期衝動のRock'n Roll。

だから1日で完了した。
ポールの頭の中にある演奏を再現することではなかったからだ。

混沌と初期衝動から生まれる本物の前衛芸術。
4人のメンバーが演奏することで思ってもみない音が出てくる本物のハプニング

そうすると他の曲でポールが目指しているのは生きたバンド演奏ではなく
ポールの頭の中にある演奏の再現だ。

だから長くなる。頭の中の演奏と違うからジョージにも注意したくなる。
できたら弾かせたくない。どうせなら、一人の弾き語りがいい。めんどうがない。

White Albumのセッションでポールはバンド演奏から離れている。
一人で演奏したBlackbird、バンド演奏が気に入らなかったOb-La-Di,Ob-La-Da

ポールがバンド演奏から離れたのはバンド・メンバーと不仲になったからではない。
「Blackbird」の時に弾き語りをしているが仲は悪くない。うまくいっている。

むしろ逆にポールがバンド演奏から離れてポールの頭の中の演奏を再現するように
なったことがメンバーを苛立たせている。

ポールはこの後のセッションでも同じことをしていくのだろうか。
そのことがメンバー間の亀裂を生みメンバー間の不仲をおこしていくのだろうか。

一方なぜ、ポールがバンド演奏から離れたのか。
1968年のインド滞在時、ドノヴァンからスリーフィンガーというギター奏法を教わった。

弾き語りの奏法を習得して、ジョンもポールも興味をひかれた。
特にポールは自分一人でできることに目の前が広がった気分を味わっただろう。

ポールは一人での弾き語りの才能に恵まれていた。天才的だった。
それはWhite Albumの曲でもソロの曲でも明らかだ。

Ob-La-Di,Ob-La-Daのメンバー全員がうんざりしたセッションの経過をみても
ポールはバンドに向いていないのではないだろうか。

Helter Skelterはポールのバンド演奏の曲。最初からハプニングと混沌を目指している。
だからこそうまくいった素晴らしい曲。