Beatlemania's Blog ~ビートルズ研究~

ビートルズ・ファンがビートルズについて調べたことを書くブログ

The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。- 254- 【Mother Nature's Son】

donovan、Paul McCartney



【 Mother Nature's Son 】 -6-

 


ポールが無意識のうちにビートルズから離れていっていることについて

 


【資料】

White Albumにおけるポールの単独作にあきらかなように
以後のポールはテーマ云々を超えたレベルで曲を書くようになる。

要はビートルズを想定するかしないか。
ポールは想定する必要なしと考えはじめる。
それはある意味でビートルズが崩壊しつつあったことを物語る

(これがビートルズだ P.205)

 


ポールは曲作りの姿勢が変わってきている。
White Albumのセッションでこれまでポールが録音してきた曲は5曲だ。

Blackbird、Ob-La-Di,Ob-La-Da、Helter Skelter、Hey Jude
そしてMother Nature's Son

バンド演奏はOb-La-Di,Ob-La-Da、Helter Skelter、Hey Judeの3曲
ただ、Hey Judeではジョージのギターを削った。不完全なバンド演奏だ。

ポールがバンド演奏を望むのであればジョージのギターは削らない。
ポールはジョージを説得した後、最終的には強制的にジョージのギターを削除した。

他の2曲、Blackbird、Mother Nature's Sonはバンド演奏ではない。
ポール一人での弾き語り、多重録音だ。

ポールはバンド演奏から離れていっている。
それはこれまで録音されたこの5曲をみても明らかだ。

完全なバンド演奏は2曲、不完全な曲がHey Judeの1曲
残りの2曲はポール一人での弾き語り、多重録音だ。

ビートルズでのバンド演奏以外のものが増えている。
ポールは曲作りにおいてビートルズを必ずしも想定しなくてもよくなった。

ポールは自覚はしていなかっただろう。
無意識だっただろう。

でもポールがビートルズを想定しなくてもよくなったことで
ビートルズの崩壊は確実に進んだのではないか。

ポールがビートルズがなくても素晴らしい曲作りができることに気づいたことが
結果的にポールのビートルズからの離反をもたらしたのではないか。

リシケシュでドノヴァンがフォークのギター演奏を3人に教えた。
時間を持て余していた3人はギターを習得し弾き語りができるようになった。

これがきっかけになったのだろう。ポールは新しい表現方法と技術を手に入れた。
ポールにはバンド以外の新しい世界が出来た。

 


【資料】

(Mother Nature's Sonは)
Wild Honey Pie、Martha Wy Dear、Blackbirdと同じく
ポール一人による演奏である。

The Beatles Sound Book Vol.3-2 Official Numbers P.40)

 


ポールの独演でありすべての楽器を納得のいくまで自分でプレイしている。
その方法で素晴らしい曲が短時間でできた。満足もできた。

一方、Hey Judeはどうだっただろう。ジョージをギターを弾かないように説得する。
反発するジョージを抑えて録音したジョージのギターを削除する。

とても煩雑でわずらわしい。
自分の思う音にしたいだけなのにとても面倒だ。

煩雑さを無意識でさけるようになる。
バンド演奏からポールが遠ざかる。

ポールはジョージとは一緒に演奏したくなかった。
少なくともジョージに自分の曲で彼の自由にギターを弾いてほしくない。

リンゴとジョンとはどうだっただろう。
この段階ではまだ表面に表れてはいない。

でもポールは無自覚かもしれないがバンド演奏から離れていっている。
それは1人での演奏と多重録音の多さに表れている。