The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。- 108- 【Ob-La-Di,Ob-La-Da】
【 Ob-La-Di,Ob-La-Da 】 -8-
なぜ最初の録音のテイク5(CD版 Anthology3 1-11曲目)はボツになったのか
○
【資料】
1968年7月5日
録音3日目
第5テイクに様々なオーバー・ダブ
サックス奏者が「ヨーコ・オノがセッションに立ち会っていた」
ことを覚えている。
(The Complete Beatles Recording Sessions P.173)
:
前日に引き続き第5テイクに様々な楽器がオーバー・ダブされた。
オノ・ヨーコがセッションに参加していた。
○
【資料】
サックス、ジミー・スコットのコンガ・ドラムが追加された。
ジミー・スコットは「Ob-La-Di,Ob-La-Da」の題名のきっかけになった人。
ジミー・スコットはWhite Album発売後に自分の演奏が聞こえないと語ったが
それは当然でこのテイクは使用されなかった。
マラカス、マリンバ、クラーベ、ポールのベースが追加された。
これでレコーディングは完了した。
ポールは家に持ち帰って週末に聞いてみたが気に入らなかった。
(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.184)
:
ここまでが最初の録音。
一応完成してミックスまでしている。
ここで録音された様々な楽器は外部の演奏者によるものだった。
外部の演奏者を呼んで演奏したが結局没になった。
これはビートルズにとって初めてのことだった。
ポールは演奏に不満があり完成版の出来が気に入らなかった。
もっといい曲になるはずだと思っていたのだろう。
何かが足りなかったのだろう。
○
【資料】
3日間にわたるセッションのすえできあがった、ポールの
Ob-La-Di,Ob-La-Daのアウト・テイク
(Anthology 3 CD付属解説書 P.11)
:
CD版 Anthology3 1-11曲目 に収録されている。
最初の録音の完成形である第5テイクが聞ける。
演奏のスピードは正規版よりもずっと速い。
テンポは最初の録音の方がずっと速かった。
リメイクではジョンが苛立ってピアノを叩きつけた。
その時の速いテンポでリメイクは録音されたと本には記載されている。
だがそれは間違っている。
最初の録音の方がテンポはずっと速い
当然、イントロのジョンの叩きつけるようなピアノはまだ入っていない。
イントロのピアノはリメイクからだ。
ポールがこの最初の録音であるテイク5に満足いかなかったのは
これではシングルA面になれないと考えたからだろう。
これではジョンのRevolution 1に負けてしまう。
その判断は正しかった。この曲ではA面にはなれなかった。