The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-389- 【Martha My Dear】
【 Martha My Dear 】 -4-
ポールから誰に宛てた歌詞なのか
○
【資料】
おそらくポールにより1968年の初めに作られた。
リシケシュ滞在中のポールのノートに
Martha My DearとSilly Girlの2つのタイトルが
書かれている。
この2曲が1曲になったものだ。
(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.216)
:
1968年の初めとはビートルズがインドのリシケシュに瞑想旅行に
行っていた時のことだ。
そこでこの曲は書かれた。
少なくともインドのリシケシュで書き始められた。
その時にはMartha My DearとSilly Girlという曲の2曲だった。
Silly Girlという言葉はこの曲の歌詞にでてくる。
○
【資料】
「ホワイト・アルバム」(3CDデラックス・エディション)
3枚目、イーシャー・デモに収録されていない
(レコード・コレクターズ 2018年 12月 P.96)
:
この曲はイーシャー・デモで録音されていない。
この時にこの曲は完成していなかったということだ。
つまり、この曲は1968年2~3月にインドのリシケシュで着想され
セッションが始まった6月以降に完成された。
○
【資料】
一般には、マーサという名のポールの飼い犬のことを歌ったものと
思われているが、これは誤り。
タイトルは犬の名前からとったにせよ、内容は無関係である。
(The Complete Beatles Recording Sessions P.197)
:
題名のMarthaはポールが飼っていた犬の名前からとった。
内容は犬とは関係がない。
○
【資料】
DiaryとAbbeyはこれが飼い犬の曲ではないことを
強調している。
A-Zは犬に関係があるのはタイトルだけで、実際は
終わってしまった愛について歌ったものだ、としている。
(ビートルソングス P.139)
:
犬の曲ではない。
終わってしまった恋について歌ったものだ。
○
【インタビュー】
Martha My Dearはメロディが先にあってそれに合わせて
単語を並べただけだ。
(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.224)
:
ポールはインタビューでメロディに合わせて
単語を並べただけと発言している。
○
【資料】
リリース当初は、ポール・マッカートニーが真剣に結婚を考えていた
ガールフレンド、ジェーン・アッシャーのことを歌ったものじゃないかと
ファンの間で推測されていた
(レコード・コレクターズ 2018年 12月 P.81)
:
1968年当時にはポールの破局した恋人であったジェーン・アッシャーに
ついての歌だと考えられていた。
○
【年表】
1968年2月19日
ポールとジェーンがインドに到着
ポールがMartha My Dearを書き始める
1968年5月25日~5月29日
Esher Demos(イーシャー・デモ)
1968年7月20日
ポール、ジェーン・アッシャーと婚約破棄
1968年10月4日
Martha My Dear
第1回録音
:
ポールとジェーンは2月19日にインドに到着した。
インドでポールがこの曲を書き始める。
5月25日この曲はできていない。
イーシャー・デモで録音されていない。
7月20日ポールとジェーンが婚約破棄を発表した。
この後にポールはこの曲を完成させた。
歌詞の内容がポールのジェーンへの思いを綴ったものになっている。
ジェーンとの別れの前後の気持ちを歌詞にしている。
○
【資料】
マーサとはもちろん、ポールがよくプリムローズ・ヒルまで
散歩に連れて行っていたオールドイングリッシュシープドッグのことだ。
1968年当時の彼女は3歳だった。
語られる内容は乏しいがそれはおそらく、彼が本心を隠していたせいだろう。
わたしは彼が
「I spend my days in conversation(ぼくの毎日は会話で終わってしまう)」
と
「You have always been my inspiration(きみはいつだってぼくのインス
ピレーション)」
を明瞭に発音しているところが好きだ。
彼が考えていたのは、最初から女性のことだったのだろう。
そしてその対象はおそらくジェーン-自分のことをわすれないでくれ
という彼女への呼びかけだったのではないだろうか
(ビートルズ・リリックス名作誕生 P.356)
:
マーサという名前はポールが飼っていた犬の名前からとった。
歌詞に書かれている内容は具体的なことがなく乏しい。
I spend my days in conversation
ジェーンと暮らしている時うまくいっていなくて口論が絶えなかったのだろう
You have always been my inspiration
ポールはジェーンとのことをよく歌詞にした。
「自分のことをわすれないでくれ」
ジェーンとの別れの後だったから忘れないでという歌詞になった。