The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-311- 【Glass Onion】
【 Glass Onion 】 -5-
ジョンのボーカルはADTなのか、それともマニュアル・ダブル・トラックなのか。
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【資料】
1968年9月12日
第2回録音
第33テイクにジョンのリード・ボーカルとタンバリンをスーパー・インポーズ
(The Complete Beatles Recording Sessions P.193)
:
ベストの第33テイクにジョンのリード・ボーカルをオーバー・ダブした。
ジョンのリード・ボーカルはADTなのか、それとも2回歌ったのか。
ADTとは人工的なダブル・トラック。
一度歌うだけでダブル・トラックにすることができる。
それに対してマニュアル・ダブル・トラックがある。
2回歌って重ねるというビートルズ初期からの方法だ。
実際に聴いてみる。結果はADTだ。
ズレが均一でボーカルにむらがない。
ADTだとすると録音は4トラックなのだろうか。
8トラック・レコーダーはADTに対応していなかったからだ。
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【資料】
「White Album」の製作途中からは8トラックレコーディングに移行する。
だが性能に限界があったので以後の作業は
4トラックのJ37との併用ですすめられている。
エリック・クラプトンによる「While My Guitar Gently Weeps」の
ギター・ソロはミキシング時にJ37を使ってADT処理を施した
(大人のロック ザ・ビートルズ サウンド革命の全貌 P.74)
:
8トラックは性能に限界があった。
ADT処理ができなかった。
だからWhile My Guitar Gently Weepsのギター・ソロをADT処理するのに
マスターの段階ではできないのでミキシング時に4トラックを使って処理した。
Glass OnionはWhile My Guitar Gently Weepsと同じく
8トラック・レコーディングである。
だからADT処理はWhile My Guitar Gently Weepsと同じく
ミキシング時にADT処理をしたのだろう。
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【資料】
ADT
65年の「Rubber Soul」と66年の「Revolver」の制作期間の狭間に
テクニカルエンジニアのケン・タウンゼンドは考えた。
ひとつのトラックを少しずらして重ねれば音が二重に聴こえる。
これを利用して人工的なダブル・トラックを作り出せる
(大人のロック ザ・ビートルズ サウンド革命の全貌 P.91)
:
ADTはRevolverの時にケン・タウンゼンドが着想した。
人工的なダブル・トラックであり2回歌う必要がない。
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【資料】
1968年9月13日
第3回録音
第33テイクに追加ドラム・トラックとピアノをオーバー・ダブ
(The Complete Beatles Recording Sessions P.193)
:
ドラムスとピアノをオーバー・ダビングした。
ドラムスはリンゴだろう。
ピアノは全ての資料がポールと記載されている。
だからとりあえずここでもピアノはポールとしておきます。