The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-124- 【Revolution】
【 Revolution 】 -3-
ジョンにとっての理想のシングルはなんだったのか
○
【年表】
1968年6月25日
Revolution 1完成
Revolution 9完成
:
ジョンはRevolution 1とRevolution 9を同じ日に完成させている。
ジョンはこの2曲を同じ1曲と考えていた。
だからジョンはシングルとしてA面をRevolution 1
B面をRevolution 9と考えていたのだろう。
メンバーはそれをやめさせたかった。
Revolution 9はB面でもシングル化はありえなかった。
でもジョンは譲らない。メンバーは必死に説得したのだろう。
今までのポップス、チャートにそぐわない、ビートルズのシングルにそぐわないと。
Revolution 9をやめさせるためにRevolution 1のヒット性のなさをあげたかもしれない
妥協案として「Revolution」へのリメイクを提示したのだろう。
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【資料】
Revolutionはこの文章を書いている時点ではまだ未完成だが、
もともとは10分以上もある曲だった。
グループの歴史上、最も長い曲として発売されるかもしれない
(The Best Of The Beatles Book P.212)
:
ここでの10分以上もあるRevolutionというのは
セッションの初日に録音されたRevolution(1と9の原曲)、第18テイクのこと。
もともとジョンはこのテイクをシングル化するつもりだった。
このテイクが前半と後半に分裂してRevolution 1とRevolution 9となった。
ジョンにとっては1曲のものだった。
だから当然1曲としてシングル化しようと考えていただろう。
A面をRevolution 1、B面をRevolution 9とするシングル。
そう考えるのが自然だろう。
ジョンはRevolution 1とRevolution 9を同時に完成させた。
この2曲は1曲だったからだ。
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【資料】
僕がまた昔のようにクリエイティブになり優位に立つようになって
彼らはそういうことに腹を立てていたから計画を潰されてしまった。
僕は再び目を覚まし彼らはそれに慣れていなかったんだ
(書籍 The Beatles Anthology P.298)
:
Revolution(1と9の原曲)、第18テイクはシングルにならなかった。
ジョンがRevolution 1とRevolution 9という2曲に分けて完成させたのにならなかった。
ジョンの理想のシングルはA面をRevolution 1、B面をRevolution 9とするシングルだ
でもメンバーは反対した。
ジョンはメンバーの意見をきいてRevolution 1をリメイクした。
シングル用にリメイクした。
でもシングル用にリメイクしたRevolutionはシングルA面にならなかった。
内容は素晴らしいシングルだった。
ジョンはビートルズとして初めての政治表明を決行した。
ディストーションの効いた破壊的で効果的なギターが素晴らしいRock'n Roll
これ以上はない内容でこれ以上はない社会情勢の時だった。
タイミングも最高だった。
でもA面にはならなかった。
この時のジョンの気持ちはどうだっただろう。
自信作だったRevolution 1とRevolution 9のシングルが採用されない。
不本意ながらリメイクしたRevolutionがシングルB面に追いやられる。
やりたいことができない。言いたいことが言えない。認められない。
政治意識のある、時代に合った素晴らしい曲を書いても待ったがかかる。
ジョンは無力感でいっぱいになっただろう。
そんなバンドに愛想がつきたのではないだろうか。
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【インタビュー】
ジョン
レボリューションに書いてあることは僕の考えだ
あの歌詞に書いてあることは今も色褪せてはいない
(書籍 The Beatles Anthology P.299)
:
ジョンはRevolutionに自信がある。
普遍性のある真実だと自負している。