The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。- 72- 【Everybody's Got ~】
【 Everybody's Got Something to Hide Except Me and My Monkey 】 -9-
録音の経過と公式発表された音源について
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【年表】
1968年5月第3週
Esher Demos(イーシャー・デモ)
:
ザ・ビートルズ 「ホワイト・アルバム」(3CDデラックス・エディション)
CD 3 イーシャー・デモの15曲目、2018年
1968年6月26日
スタジオでリハーサル
:
ザ・ビートルズ 「ホワイト・アルバム」 (スーパー・デラックス・エディション)
CD 4-4曲目、2018年
1968年6月27日
録音初日
1~8テイク録音
1968年7月1日
ポールのベース
ジョンのボーカルをオーバー・ダブ
ハンドベルとショカーリョをオーバー・ダブ
1968年7月23日
ジョンのリード・ボーカルを録り直し
バック・ボーカルと手拍子をオーバー・ダブ
完成
:
ザ・ビートルズ 「ホワイト・アルバム」
:
Esher Demos(イーシャー・デモ)に1日、リハーサルに1日、録音は3日で完成している
とても早い。順調な録音。
Esher Demos(イーシャー・デモ)と完成版のアレンジは全く異なる
でも録音はスムーズに終わった。
ジョンのあれこれ試行錯誤をしない。迷わないことへの意志が感じられる。
「Sgt. Pepper's」「Magical Mystery Tour」の楽曲への反省だろうか。
Esher Demos(イーシャー・デモ)のアコースティック・バージョンを
「混沌と叛乱」のごとくアレンジしていく。
そう考えるとこの曲はRevolution 1をハードにアレンジした
シングルB面の「Revolution」と同じスタイルだと言える。
7月1日の録音2日目にベース、ボーカル、ハンドベル、ショカーリョをオーバー・ダブ
ベースはポール、リード・ボーカルはジョンであることは確実
ではハンドベルとショカーリョをオーバー・ダブしたのは誰だろう。
オーバー・ダブなので誰にでも可能性はある。
○
【資料】
Esher Demos(イーシャー・デモ)
まだメロディを模索中。ブルージーで完成版とはだいぶ雰囲気が異なる
(レコード・コレクターズ 2018 12 P.95)
:
Esher Demosは2本のアコースティック・ギターとパーカッション
ブルージーだった。
ブルージーから完成形の「混沌と叛乱」へと大幅に変化した。
6月26日のリハーサルでジョンとポールの2人でアレンジを決めた。
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【資料】
1968年6月27日
当初は3分7秒あったが、リダクション・ミックスを43サイクル毎秒で
行ったため、かなりスピードアップして2分29秒になった
(The Complete Beatles Recording Sessions P.172)
:
リズム・トラックは当初3分7秒だった。
それをリダクションして2分29秒にした。
これは「混沌と叛乱」へのアレンジの一つだろう。
切迫感が増して目指す音に近づいたのだろう。