The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。- 73- 【Everybody's Got ~】
【 Everybody's Got Something to Hide Except Me and My Monkey 】 -10-
ハンドベルは誰なのか
○
この曲がやかましく感じるのは、すべてポールが鳴らした
消防用のベルの音に原因がある
:
この曲はもともとストレートなロック・ナンバー
それを「混沌と叛乱」のコンセプトに沿う不穏な切迫感に変えた
同時に録音したジャッキー・ロマックスの「Sour Milk Sea」にはない不穏な空気
それはこのベルの音による。
ここではハンドベルではなく消防用のベル(fireman's bell)としている
最初からジョンのボーカルに寄り添うようにベルが鳴っている。
このベルは大きいのだろうか
資料にはポールはベルを演奏するのに休憩しながらしたとある。
大きいものでないとこの記述は出ないだろう。
消防用のベルとします。
○
歌中では元気のよいポールの声がところどころに聞こえ
ジョンのボーカルを引き立てている
(全曲解明!!ビートルズサウンズ大研究(下) P.93)
:
ポールの短いシャウトが全編に聞こえる
ポールの悲鳴なのかコーラスなのか合いの手なのか、ドンぴしゃで入れてくる。
39秒の悲鳴、すごくいい。ここしかない。アジテーション豊か。
不穏度数が増大する。警報が鳴っている。
ポールにはジョンからのコンセプト「混沌と叛乱」が伝わっている。
Revolution(1と9の原曲)に続く録音のこの曲で忠実にコンセプトを守っている
このシャウトとベルがこの曲のアレンジを決定している
不穏で危険で革命前夜の高揚感に溢れている
ポールはジョンの曲に全力で協力している。
ポールはこの曲の録音中のりにのっている
Revolution(1と9の原曲)から継続した状態だ。
ポールはジョンと引き続きいい関係にある。
ポールのシャウトとこの不穏なベルはアレンジの方向性が一致している
だからベルも同じ演者、ポールのものだろう。
ポールのRevolution(1と9の原曲)の後半でのりにのった状態
Love Me Doのアドリブを歌ったのと同じポールの高揚感とアイデアの噴出
それがこの曲のシャウトとベルにはある。
ジョンとのセッションが楽しくてトランス状態に入ったのだろう
このセッションにジョージは参加していないのでジョージではない
消防用のベルはポールと判断します。
○
リンゴがオーバー・ダビングしたショカーリョなども入っている
(真実のビートルズ・サウンド P.408)
:
ショカーリョはリンゴ。
She's A Womanのショカーリョもリンゴだったからそうだろう。
これまで私はこの曲のリード・ギターもベルもずっとジョージだと思っていた。
だからこの曲でのジョージはすごくいいと思っていた。
ギターも素晴らしい。あのうるさいベルもジョージとはすごい貢献だと。
ジョージはジョンの革命のコンセプトについていってると思っていた。
「Revolution 9」の録音に関わった唯一の他のメンバーはジョージだったから。
そのイメージに引っ張られた。
実際にショカーリョすらもジョージだとする資料もあります。
ここでは以下の構成とします。
ドラム:リンゴ
ベース:ポール
ギター:ジョン
リード・ギター:ポール
消防用のベル:ポール
ショカーリョ:リンゴ