The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。- 88- 【Good Night】
【 Good Night 】 -10-
2日目の録音をスーパー・デラックス・エディションで聞く
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【資料】
テイク10
White Album(スーパー・デラックス・エディション 2018)
CD4-6
リンゴに3人がコーラスをつける。
ジョン、ポール、ジョージのdreamというコーラスが美しい。
オーケストラじゃなくてこの構成でもよかったのではないかと思えてくる。
4人が楽しそう
(レコード・コレクターズ 2018 12 P.94)
:
2日目の録音、テイク10が(スーパー・デラックス・エディション 2018)で聞ける。
CD4枚目の6曲目。
リンゴのボーカルを3人のバック・コーラスが包む。
とても美しいテイクだ。
このテイクを聞くとジョンのジュリアンに対する思いがわかる。
慈愛にあふれた純粋な愛情がある。
ジョンはジュリアンを大事に思い愛していた。
愛し方がわからなかっただけだ。思いはある。
こんなに綺麗な曲を作るのに。愛の溢れた曲を歌うのに。
現実にどうジュリアンに接したらいいかだけがわからない。
ジュリアンはジョンにとって聖域だった。神聖なもののように
この曲をスピリチュアルに扱いたかった。
だからメンバー3人でバック・コーラスをつけた。
神聖な厳かな雰囲気だった。
このテイクは素晴らしいと思う。
オーケストラよりもずっとずっとジョンの純粋な愛情が表れている。
後年になってジョンはオーケストラよりもこのコーラス・テイクの方が
優れていたと思って後悔しただろう。
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【インタビュー】
ジョン
ハリウッドみたいにアレンジしてくれ。そう、感傷的にね
(ビートルソングス P.149)
:
なぜジョンは素晴らしいコーラス・テイクを録音しながら
オーケストラにしたのだろう。
結果的にそれまでのジョンの失敗。ジョージ・マーティンにアレンジを任せたために
自分の作品を台無しにされた、とジョンは思っている。
この失敗を繰り返してしまった。
そうならないためにWhite Albumのセッション前に入念に準備をしてきたのに。
セッション前にEsher Demos(イーシャー・デモ)でデモを作成するという
万全の態勢をジョンとビートルズはしてきた。
今まではうまくいっていた。
ジョンの思うようにセッションは進んできていた。
しかし、この曲はEsher Demosでデモを作成していない。
これが一番大きいだろう。
この曲はできたのがEsher Demosの後、セッションが始まってから。
できてすぐに録音した。だからアレンジは未定だった。
だから「Sgt. Pepper's」までのアルバムのようにスタジオでアレンジを決めていった。
そこにはジョージ・マーティンも参加していた。
今までと同じことが繰り返された。
その場でアイデアを即断で決定し実行してしまうジョンの性格も災いしたのだろう
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【インタビュー】
1980年9月
プレイ・ボーイ・インタビュー
ジョン
リンゴにあげて、ちょっと派手になりすぎたかな
(ビートルソングス P.149)
:
ジョンは後悔している。
メンバー3人のコーラス・バージョンの方がよかったと思ったのだろう。