The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-10- 【Revolution 1】
【 Revolution 1 】 -9-
ジョージ・マーティン
初めてディストーションを使った。
ジョージ・ハリスン
曲そのものよりこれを作った姿勢が重要。
あのノイズが特に嫌い。
この曲が重要視される要因があるとすれば
実際に歌われている内容だけだ。
(The Beatles Anthology P.298)
:
ジョージ・ハリスンはディストーションが嫌い。
そして「Revolution」が嫌い。
○
ポール
僕はレボリューションのサウンドが好きだ。
(The Beatles Anthology P.298)
:
どのレボリューションかはっきりしないけれど。
おそらくこのレボリューションは
Revolution (シングルB面)
ポールはジョンのサウンド志向、ジョンの時代の最先端を探し当て
自ら最先端を作っていくことを共にしてきた。
それはビートルズが始まって以来ずっと続いて来たもの。
このポールのジョンへの信頼関係がビートルズのそれまでのアルバムに
統一性をもたらしていた。
ビートルズのアルバムは全てコンセプト・アルバムである。
ただ、今回はジョン以外の異分子を受け入れられない。
○
ジョン
ゴールドのレコードになろうが木のレコードになろうが
そんなことは気にせず
~中略~
わかりやすいスローなバージョンの「レボリューション」(Revolution 1)
をシングルとして出す余裕があったはず
彼らはそういうことに腹を立てていたから計画がつぶされてしまった
(The Beatles Anthology P.298)
:
ジョンはわかっている。
レコードの販売枚数やヒットチャートよりも重要な価値観が生まれたと
いうことを。
「Revolution 1」はまさに売れるための曲ではなく他の重要な価値観に
則った曲であることを。
そのためには売れるためのサウンドではなく、この曲では
「わかりやすく」伝えることが重要だと考えた。
ジョンは初めての政治的立場の表明をわかりやすく伝えたかった。
でも「Revolution 1」は「彼ら」に「つぶされた」。
ジョンは生き生きとした自由で創造性に富んだ自分を
つぶされた様に感じた。
俺はビートルズでは自由になれない。