The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。- 96- 【Good Night】
【 Good Night 】 -18-
ビートルズの叛乱をジョージ・マーティンはどう感じたのか
○
【資料】
ビートルズを一般世間仕様に整備する役を担っていたジョージ・マーティンの影が
ほとんど感じられず、自分の音楽を探り続けた記録、だが、だからこそ解放感のある
作品だ
(レコード・コレクターズ2018 12 P.71)
:
White Albumにはジョージ・マーティンが感じられない。
ジョージ・マーティンの影響を排除した後に新しいビートルズの音が表れたのだろう
レコード会社はジョージ・マーティンを雇用している。
ジョージ・マーティンはビートルズの音を商品化してきた。
ビートルズはEsher Demos(イーシャー・デモ)を作成することで
ジョージ・マーティンのプロデュースという音への商品化を覆した。
またアップルという会社を作りレコード会社からの支配からも脱した。
これはビートルズの支配と抑圧からの解放へのクーデターだ。
Esher Demosは「混沌と叛乱」という時代精神にのっとった
一連のビートルズのクーデターの一部だった。
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【資料】
(クリス・トーマスは)
マーティンが書き置きを残して出かけてしまった9月9日から
10月1日までプロデューサー代理を務めた
(レコード・コレクターズ 1996 11 P.64)
:
執拗に反抗してくるビートルズに疲れたのだろうか。
力関係は逆転しビートルズが上になっていたのだろう。
○
【インタビュー】
当時の彼らは変革期にあり、
ほんとうはプロデューサーを替えたかったのではないかと思うよ。
だが彼らがじかに私に言ってくることはなかった。
それで私はまだ残っていたわけだ。
(書籍 The Beatles Anthology P.315)
:
ジョージ・マーティンはビートルズが自分を必要としてないと思っていた。
自分に不満があるのだろうと感じていた。
実際にジョンとビートルズのメンバーはEsher Demosを作成することで
ジョージ・マーティンとの関わりをなくした。
でもジョンは直接ジョージ・マーティンに交替の宣告をしなかったのだろう。
無言で自分の主張を通していたのだろう。
どちらが主導権を握るかの戦いだった。
そのためにアップルも作った。
ジョンの「混沌と叛乱」の時代精神。
メンバーには「Revolution 1」のセッションによって伝わったと考えていた。
そうではなかった。伝わったのはこのEsher Demosだ。
セッションの始まる前にすでに伝わっていた。
それはEsher Demosの音を聞けばわかる。
叛乱をおこした若者の衝動と高揚感を感じることができる。
ジョージ・マーティンへの叛乱であるセッション直前のEsher Demosの敢行
アップルの設立もそうだろう。
この叛乱でジョンの「混沌と叛乱」の時代精神はメンバー全員に伝わっていた。
セッション前から革命を旗印にビートルズは高揚していた。