The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-404- 【Why Don't We Do It In The Road】
【 Why Don't We Do It In The Road 】 -4-
ジョンは1人多重録音をするポールをどうみていたのか
○
【資料】
ジョン
ポール、彼の傑作のひとつ
(ビートルソングス P.141)
:
ジョンはこの曲はポールの傑作だと思っていた。
ジョンはこの曲にこだわっている。
○
【インタビュー】
Why Don't We Do It In The Roadについて
ジョン
(ポールは)自分一人だけで別の部屋で録音したんだ。
あの時期は何でもそんな感じだった。
ぼくらがスタジオへ着くとあいつはもう一人で全部完成させてるんだ。
自分でドラムを叩いて、自分でピアノを弾いて、自分で歌ってね。
それなのにあいつは・・・あいつは、どうしても
ビートルズを抜けられなかった
なぜそうだったのかはわからない
(プレイ・ボーイ・インタビュー1980完全版 P.330)
:
ジョンはこの曲のことを鮮明に覚えている。
ジョンにとってこの曲は印象に残る重要な曲だった。
ジョンは覚えている。
ポールが1人だけでこの曲を録音したことを。
この曲以外でもWhite Albumでのポールは1人で録音した。
全部1人で演奏して完成させた。ジョンはそう思っている。
1人で演奏して完成させるのだからビートルズを必要としない。
ポールはビートルズから離れていっていた。
ジョンはポールがビートルズを離れていっている。
辞めたがっていると思っていた。
このインタビューは1980年のものでWhite Albumのセッションから
12年が経っている。記憶も曖昧になる頃だ。
そんなに昔のことなのにジョンはこの曲のこと、
この曲をポールが1人で録音したことを鮮明に覚えている。
その時の自分の気持ちも覚えていて
はっきりとインタビューで答えている。
だからこの発言は本当のことだろう。
ポールがビートルズから距離を置いているとジョンは思っていた。
○
【資料】
曲そのものは好きだよ。
それでも、ジョージの気持ちはわからないが、少なくともぼくは
ポールがぼくらを関与させずにさっさと何かをつくってしまったときは
いつも傷ついていた。
(プレイ・ボーイ・インタビュー1980完全版 P.330)
:
ジョンはこの曲が好きだった。
嫌だったのはポールがこの曲を1人で録音したことだ。
そしてポールがビートルズから離れつつあったことだ。
ジョンはそのことに怒りそして傷ついていた。
○
【インタビュー】
ポール
ジョンが公に傷ついたと言及したのは、あれが思い出す限りでは
唯一のケースだったね
(ビートルソングス P.142)
:
このインタビューは前掲のジョンのインタビューを受けてのもの。
1981年のポールのインタビュー発言だ。
ジョンは傷ついていた。これはジョンの亡くなる直前の発言だった。
それまでジョンはそんなこと話したことがなかった。
ポールはこの発言を聞いて落ち込んだだろう。
この発言をしてジョンはすぐに亡くなってしまう。
ポールはわだかまりを解くことが永遠にできなくなってしまう。
ポールはジョンが傷ついていたことを初めて知ったのかもしれないのだ。