Beatlemania's Blog ~ビートルズ研究~

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The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-345- 【Piggies】

チャールズ・マンソン



【 Piggies 】 -10-

 


この曲のアレンジの目指すものはなにか

 


【資料】

1968年9月20日
Piggies
第2回録音

Piggiesの第11テイクを8トラック・テープにコピーし、これを
第12テイクとしてオーバー・ダブを録音。
この曲を完成させる。

最初のスーパー・インポジションはジョージのリード・ボーカル

「play around in」「damn good whacking」
の部分にADTを施す。

ジョージはサビのヴァースで鼻をつまんで歌っているかのような
鼻声のサウンドを作りたがった

(The Complete Beatles Recording Sessions P.195)

 


初日のベストは最終テイクの第11テイクだった。
翌日、8トラック・テープにコピーしてオーバー・ダブをした。

まずジョージのリード・ボーカルをオーバー・ダブ
後で「play around in」「damn good whacking」にだけADTをかける。

この部分を強調する。
ジョージはこの部分を気に入っている。

後にチャールズ・マンソンもこの部分を気に入っていたことが報道される。
マンソンもジョージも気に入っていた部分が同じだったのだ。

ジョージはこの部分をわざわざADTで強調すらしている。
ジョージは困惑しただろう。

60年代の恐怖と悪、負の部分を象徴する事件の引き合いにだされた。
しかも首謀者マンソンが気に入っていた言葉をADTで強調しているのだから。

 


【資料】

このオーバー・ダブが行われている間、コントロール・ルームでは
ジョン・レノンがテープを使って豚の鳴き声のテープ・ループを
作っていた。

(The Complete Beatles Recording Sessions P.195)

 


ジョンは演奏には参加していない。
豚の鳴き声のテープを作っていた。

ジョンは反体制の歌詞であるこの曲を気に入っている。
歌詞も手伝っている。

ジョンはもっと反体制の歌詞の内容を強調したかった。社会で
ただ浮かれている資本主義の「ブタ」をもっとからかいたかったのだろう。

豚の鳴き声の効果音を作成する。
ジョンはこの曲に多くの貢献をしている。

 


【資料】

第11テイクを8トラック・テープへコピーして第12テイクとした。
そしてまずジョージはリード・ボーカルをとった。
ブリッジの部分は強いフィルターをかけた。
次にジョージとジョンとポールで最後のヴァースに大げさなコーラスを
つけた

(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.218

 


最初にリード・ボーカルをオーバー・ダブ
ブリッジにはフィルターをかけて「鼻声のサウンド」にした。

それでも足りず最後のヴァースは3人でわざと大げさにコーラスをつけた。
反体制の歌詞の毒を増幅させて社会につきつけたかったのだろう。

この曲のアレンジは全てそうだ。反体制の歌詞を強調して
資本主義の浮かれた「ブタ」の気に障るように装飾している。

アウトロでわざわざジョージは「One more time」と言ってストリングスを
促す。オペラのような演奏があり最後にブタの鳴き声で締める。

オペラは彼らの象徴だ。文字通り「もう一度」彼らを卑しめたのだ。
何度も執拗に繰り返し資本主義の浮かれた「ブタ」をからかっている。