Beatlemania's Blog ~ビートルズ研究~

ビートルズ・ファンがビートルズについて調べたことを書くブログ

The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-330- 【Birthday】

Eddie Cochran, 映画「The Girl Can't Help It」



【 Birthday 】 -3-

 


なぜこの日に録音したのか

 


【資料】

この前日、彼は誰が聴いてもれっきとしたバラードである
I Willの録音を行った。

そして一夜明けたこの日はスタジオに入ってからその場で書き
Long Tall Sallyを彷彿させるパワフルなボーカルを録音した。

(The Complete Beatles Recording Sessions P.194)

 


前日にはポールはI Willを録音した。
リンダへの恋を歌ったバラードだった。

その翌日ポールはスタジオに入ってから曲を書き
リトル・リチャード直系のシャウト・ボーカルで歌った。

あまりの落差がある。
White Albumのポールの曲の中では異端だった。

Rubber Soul以降、全てのポールの曲の中でも異端だ。
映画がポールにしばらく消えていた50年代ロックン・ロールを蘇らせた。

 


【資料】

数時間でリズム・トラックを20テイク録音した後に
全員キャベンディッシュのポールの家に行った

1956年のロック映画「The Girl Can't Help It」をテレビ放送で見た。
BBCで9時5分から2時間だった。

ビートルズのメンバーはリトル・リチャードとファッツ・ドミノ
血を受け継いでセッションに戻った

(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.213)

 


その映画とは「The Girl Can't Help It」(女はそれを我慢できない)だった
1956年のロック映画だ。

なぜロック映画かというとロックン・ロール・ヒーローが多数出演して
映画の中で演奏しているからだ。

その中にポールのヒーローであったリトル・リチャードがいた。
彼は映画の表題曲を歌った。

ビートルズは全員、リトル・リチャードが大好きだった。
ジョンはソロ・アルバム「ロックン・ロール」でカヴァーしている。

ビートルズはBirthdayを20テイク録音した後に
セッションに参加した皆でポールの家へ行ってTVで映画を見た。

 


【資料】

TVでロックン・ロールの最高傑作映画
「The Girl Can't Help It」(邦題:女はそれを我慢できない)が
放映されるのを知ったビートルズは普段より早く午後5時半頃に
スタジオ入りして録音をスタート

ロックン・ロールのスターが沢山出演した。
この映画ではビートルズにとってのヒーローだった
ジーン・ヴィンセントエディ・コクラン、リトル・リチャードなどの
ステージ映像を観ることができる。

(真実のビートルズサウンド P.400)

 


この映画はロックン・ロールの最高傑作映画だ。
理由はロックン・ロールの演奏シーンが最高に素晴らしいからだ。

少なくともジーン・ヴィンセントのBe-Bop-A-Lulaエディ・コクラン
Twenty Flight Rockはこの映画の演奏シーン以上の映像はない。

しかもカラーであり曲を最初から最後まで流している。
エディはデヴュー直後、1956年の映像だ。奇跡的だ。

この日ビートルズのメンバーは普段より早く午後5時半にスタジオに入った。
その理由は録音が一段落したら映画を見ようと思ったからだ。

ビートルズはこの日に映画があるのを知っていた。
数日前、あるいはもう少し前に知ったのだろう。

見るつもりだった。楽しみにしていた。
ビートルズのメンバーはこの映画が大好きだったからだ。

このロックン・ロール映画に合わせてロックン・ロール曲である
Birthdayを作曲し録音しようと思いついた。

ビートルズがBirthdayを作った理由はこの映画だ。
映画「The Girl Can't Help It」がビートルズにBirthdayを作らせた。

曲調からみて表題曲「The Girl Can't Help It」を参考にしたのだろう。
ポールがリトル・リチャードのようにリフを作り彼のように歌った。