The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。- 262- 【Yer Blues】
【 Yer Blues 】 -6-
ジョンの目指した録音方法は何か
○
【資料】
1968年8月14日
第2回録音
ジョンのリード・ボーカルを録音。
ポールがハーモニーをつけた。
(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.202)
:
第1回録音で演奏テイクは完成した。
翌日の8月14日にジョンがリード・ボーカルを録音
ポールがハーモニーをつけた。
これで録音はほぼ完了した。
この曲の録音はとても短期間で完了している。
1日目に演奏全て。2日目にリード・ボーカルを入れて完了
ジョンの曲でバンド演奏による録音。
それはとてもスムーズで短時間でかつ質が高い。
ビートルズの初期にしていた録音方法だ。
ジョンはその頃のセッションに戻りたかったのだろう。
前作「Sgt. Pepper's」や「Magical Mystery Tour」でのシングル
オーバー・ダブを駆使しての録音方法が嫌だったのだろう。
だからマーティンを録音から締め出して排除した。
ジョンにとってはマーティンがオーバー・ダブの元凶だったのだろう。
ジョンはライブでのバンド演奏での録音を取り戻したかった。
そのためにジョンは混沌と叛乱の精神のもと録音の主導権を取り戻した。
ジョンはビートルズ初期の躍動感あふれるライブ録音に戻したかった。
その代表曲がここまでの録音ではYer Bluesだろう。
ジョンが嫌ったのはライブでなくバンド演奏でなく
オーバー・ダブを長時間何度も繰り返すセッションだ。
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【資料】
1968年8月14日
第2回録音
第16及び第17テイクの編集ヴァージョンにSI
ジョンのセカンド・ヴォーカルをオーバー・ダブ
(The Complete Beatles Recording Sessions P.185)
:
ここではジョンのリード・ボーカルをセカンド・ヴォーカルとしている。
第1回録音でジョンは演奏しながらガイド・ボーカルを録音した。
そのガイド・ボーカルをファースト・ボーカルとして翌日の第2回録音での
リード・ボーカルをセカンド・ボーカルとしたのだろう。
このボーカルの録音で完了した。
短時間で終わり追加録音も録り直しもない。
ジョンは2日間という短時間での録音とバンド演奏の出来に満足した。
満足したからこそ録り直しもない。
Yer Bluesがジョンの理想とするセッションだ。
理想とするセッションで理想とする演奏、音が完成した。
後日、ジョンはYer Bluesをビートルズ以外のバンドで披露する。
ジョンはYer Bluesを誇りに思っている。
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【資料】
1968年8月20日
第3回録音
曲の始めにリンゴがシャウトする「two three」のカウント・インを録音し
ベスト・モノ・リミックスに組み込んでマスターを完成
(The Complete Beatles Recording Sessions P.186)
:
イントロの「two three」を録音する。
ジョンはこのカウントを思いつきどうしても入れたかったのだろう。