Beatlemania's Blog ~ビートルズ研究~

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The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-260- 【Yer Blues】

The Beatles



【 Yer Blues 】 -4-

 


第1回録音、バンド演奏がもたらした奇跡の混沌について

 


【資料】

1968年8月13日
第1回録音

コントロール・ルームにある狭い部屋で演奏した。
ジョンがガイド・ボーカルを歌いながら14テイク録音した

(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.200)

 


スタジオで演奏していない。
コントロール・ルームに併設されていた物置のような小部屋で録音した。

小さい狭い部屋にメンバー4人が入っての演奏。
メンバーの楽器同士が触れ合っただろう。

小さい部屋で直に隣で演奏するメンバーの音を聞いた。
動きを察知しメンバーの表情も見える。

ジョンが目指したのはメンバー一体となったバンド演奏だ。
ジョンは究極のバンド演奏を求めた。バンドの音が欲しかった。

デビュー前に同じような小さい部屋でセッションをしただろう。
ハンブルグでは汚れた壁と天井に囲まれた部屋の隅っこで音を合わせたかもしれない。

その頃のようにビートルズはメンバー同士触れ合いながら小部屋で演奏した。
ライブでの4人一緒の演奏でジョンはボーカルも一緒に歌った。

ジョンのバンド演奏への情熱と一体になり奇跡の混沌を表現している。
ジョンの意図したとおりにバンド演奏が高揚している。

 


【インタビュー】

リンゴ

あれを超えるものはないよ
あの曲は僕ら4人だけだった。
僕が言いたいのはそこなんだよ。
僕ら4人で狭い箱のなかに閉じこもってさ、8フィートくらいの
仕切りも何もない部屋でやったんだ
あのグループはほんとに強く結びついてたんだよ。

(書籍 The Beatles Anthology P.355)

 


リンゴはこの曲を好きだ。畏敬の念を抱いている。
メンバー4人だけだったと言っている。

それは外部の奏者によるオーバー・ダビングがないということではなく
バンドで演奏しているときに4人が一体になったことを示すのだろう。

このインタビューでリンゴが興奮して語っている。
狭い部屋で4人で演奏した。一体感があった。

リンゴは一体感を感じられるバンド演奏が好きなのだ。
リンゴには強く結びついている状態が素晴らしいとの価値観がある。

ここにおいてメンバー4人のバンド演奏に対するスタンスが明らかになる。
ジョンとリンゴはバンド演奏が好きだ。

ポールは自分の曲では自分の頭の中で鳴っている音を録音したい。
だからHey Judeではジョージのギターを削る。

ジョージは自分の曲でのバンド演奏に悲観的だ。
Not Guiltyは完成したのにアルバムへの収録を考えてもいない。

この時点でビートルズのバンド演奏はジョンの曲でのみ成立している。
ジョン主導の録音時のみ奇跡の混沌をおこしている。