The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。 -211- 【While My Guitar Gently Weeps】
【 While My Guitar Gently Weeps 】 -9-
ジョージが閃いた起死回生の手段エリック・クラプトンの採用はいつ思いついたのか
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【年表】
1968年7月25日
第1回録音
第1テイク(CD、Anthology3の16曲目)
1968年8月16日
第2回録音
リメイク
1968年9月3日
第3回録音
リメイクに逆回転のリード・ギターをオーバー・ダブ
1968年9月5日
第4回録音
リメイクに逆回転のリード・ギターをオーバー・ダブ
これまでの全録音を破棄
再リメイク
1968年9月6日
第5回録音
エリック・クラプトンのリード・ギターをオーバー・ダブ
完成
:
全部で5回の録音で完成している。
第4回の途中までの録音は全て破棄されている。
正規版のヴァージョンは9月5日の第4回録音の後半でリズム・トラックを録音
翌日の9月6日にエリックのリード・ギターをオーバー・ダブして完成している。
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【資料】
再リメイク版
ベーシック・トラックはドラムス(リンゴ)
アコースティック・ギターとガイド・ボーカル(ジョージ)
リード・ギター(ジョン)
ピアノあるいはオルガン(ポール)
(The Complete Beatles Recording Sessions P.191)
:
廃棄されたリメイク版にはオルガンは演奏されていたがピアノは演奏されていない。
この日に録音された再リメイク版ではポールがピアノを弾いている。
翌日の録音最終日にはピアノの演奏はない。
そうするとポールの弾いた「すてきなイントロ」は第4回録音の演奏だ。
エリックの参加を知ったポールが真剣になって
ピアノで「すてきなイントロ」を弾いた。
だからジョージがエリックの参加をメンバーに告げたのは
第4回録音の再リメイクの直前ということになる。
また、ジョージはこの日の第4回録音の前半ではリード・ギターを自分で弾いている
自分では弾いてみたもののよくなかったので自分でギター・ソロを弾くのをあきらめた
この時にジョージは閃いたのだ。エリック・クラプトンにギター・ソロを弾かせよう
そうすれば泣くようなギターも得られるし、ジョンとポールも真剣に演奏するはずだ
この曲はもっと良くなる。二人が真剣に取り組むのだから。
だからリズム・トラックも全て録り直そう。
メンバーはエリックの参加を聞いてこの日の後半の録音に臨んだ。
今までの録音は全て破棄され新たにリズム・トラックが録り直された。
ジョンとポールはエリックが参加すると聞いて緊張した。
演奏は真剣なものとなりジョージを満足させるものとなった。
ジョージの作戦は成功した。閃いた考えに間違いはなかった。ジョージはジョンと
ポールにやる気をださせて自分の曲をすばらしいものに仕上げることに成功した。
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【資料】
テイク17からテイク44までのベーシック・トラックを録音した。
(The Complete Beatles Chronicle 1965-1970 P.363)
:
9月5日の後半、第17テイクから第44テイクまでリズム・トラックを録音した。
正規版ヴァージョンとなる再リメイクである。
この再リメイクに翌日エリックがリード・ギターを弾いて完成する。
ところで、この再リメイクを録音した9月5日にエリックは現場にいたのだろうか
今までの経過を考えると9月5日のセッションにエリック・クラプトンはいない。
翌日にエリックはギター・ソロを録音するためにセッションに参加した。
この日エリックはいなかったがエリックの影に影響されて
ジョンとポールは最高の演奏をした
ポールは素晴らしいピアノのイントロを演奏し
翌日にはエリックを驚嘆させたベースを弾いた。