The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-210- 【While My Guitar Gently Weeps】
【 While My Guitar Gently Weeps 】 -8-
ジョージが消極的なジョンとポールをやる気にさせた方法は何か。
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【資料】
1968年9月5日
第4回録音
8トラック・テープにジョージ・ハリスンの2通りのリード・ボーカル、
マラカス、追加ドラムスとリード・ギターをスーパー・インポーズする
(The Complete Beatles Recording Sessions P.191)
:
前回の録音から2日後の9月5日、第4回録音
前回のセッションを継続して開始された。
8トラック・テープにジョージのボーカルとギターがオーバー・ダブされた。
この日もジョージは自分でリード・ギターを弾いた。
マーティンはこの日も参加していない。プロデュースしてくれる人はいない。
ジョージが自らプロデュースしなければいけない。
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【資料】
9月3日にジョージが逆回転ギターをオーバー・ダブした。
9月5日にも続けて逆回転ギターをオーバー・ダブ。
同日に全て破棄して録り直した。
第17~44テイクを録音した。
第25テイクがベストとされ9月6日にエリック・クラプトンがリード・ギターを
オーバー・ダブした。
(Complete Beatles Audio Guide P.118)
:
9月3日と9月5日にジョージは逆回転を使ったギター・ソロを弾いた。
ジョージの弾く逆回転ギターは困難を極めた。
2日間ジョージは逆回転ギターを録音したが納得のいくテイクは録れなかった。
結局ジョージは自分の逆回転ギターも含めて全録音を破棄した。
リズム・トラックから全て取り直した。
新しいリズム・トラックにエリック・クラプトンがリード・ギターを録音して完成した。
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【資料】
プレイ・バックを聞いたジョージが納得の行くサウンドではないとして
すべて破棄した
ボツにされたヴァージョンはボーカルがあまり目立たず
逆行ギターとオルガン・パートが前面に出ている。
(The Complete Beatles Recording Sessions P.191)
:
この日の録音を聞きなおしてジョージは納得がいかなかった。
こだわりのあるこの曲のできばえにジョージは不満だった。
もっとよくなるはずだと思った。
曲に自信があったからだ。
だからジョージは今までの録音を全て破棄した。
破棄した時にジョージは考えただろう。
よくならないのはジョンとポールが真面目に取り組んでくれないからだ。
どうすればジョンとポールが真剣に取り組んでくれるかを考えただろう。
この資料では破棄されたリメイクのヴァージョンと正規版ヴァージョンとでは
明らかなかなりの違いがあるとしている。
全てを破棄したこの日に早速ビートルズはベーシック・トラックの録音をした。
再リメイクとしての録音だった。
この再リメイクをする前にジョージはメンバーに伝えた。
エリック・クラプトンにセッションに参加してもらう。
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【インタビュー】
僕がこの曲にはエリックが参加するよと言うと
みんなが少しやる気になった。
ポールはピアノの前に座りすてきなイントロを弾いてくれたんだ。
全員がすごく真剣に考えてくれた。
(書籍 The Beatles Anthology P.306)
:
ジョージはジョンとポールを真剣にさせるために
エリック・クラプトンの参加を決めた。
ジョンとポールは、やる気になった。
ポールは素晴らしいイントロをピアノで演奏してくれた。
破棄されたヴァージョンと再リメイクのヴァージョンの違いは
ジョンとポールの意欲の有無だ。真剣かどうかだった。
エリックが参加すると知って二人は真剣に録音に取り組んだ。
当然、演奏はかなり変わりジョージが納得するリズム・トラックが完成した。