Beatlemania's Blog ~ビートルズ研究~

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The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-167-  【Helter Skelter】

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Helter Skelter



【 Helter Skelter 】 -6-

 

第2回録音とメンバー間の一体感について

 


【資料】

1968年9月9日

第4~21テイク

18テイクのリメイクを録音。各テイクとも3~4分の普通の長さだった

(The Complete Beatles Recording Sessions P.192)

 


第2回録音では一日で18テイクを録音した。
ブルース・ヴァージョンとは全く異なるからこの資料ではリメイクとしている。

ブルース・ヴァージョンは10分~27分と長かったが
この日のテイクは3~4分の普通の長さだった

ここでのベスト・テイクである第21テイクがアルバムへの収録テイクとなる。
とてもスムーズに録音が終了したことがわかる。

 


【資料】

テイク17
高速ハード・ロック・ヴァージョンの別テイク

White Album(スーパー・デラックス・エディション 2018)のCD5 15曲目

レコード・コレクターズ 2018年 12月 P.93)

 


この日のアルバム収録テイクとは異なるテイクがWhite Album
(スーパー・デラックス・エディション 2018)のCD5 15曲目で聞ける。

第1日目のブルース・ヴァージョンは情熱を放散する荒々しい音だった
第2日目のハード・ロック・ヴァージョンも同様に荒々しい音だ。

ここでの第17テイクはアルバム収録された第21テイクとアレンジの方向は同じだ。
第2日目の最初の録音、第4テイクからこのアレンジなんだろうか。興味がある。

ポールはのども裂けよとばかりに叫んでいる。
ビートルズの演奏もポールの情熱と一体になって混沌、カオス状態だ。

ポールの意図したとおりにバンド演奏が奇跡の混沌を表現している。
ポールの頭の中にあった音ではなく欲しかった音だ。

 


【資料】

ポールはザ・フーのレコードのようにしたいのではなくザ・フーのレコードの
レコード評のようにしたかった。
荒く獰猛なハード・ロックにしたかった。

ベスト・テイクは第21テイクだった。
ジョンがベースを弾きリンゴがドラムを叩いた。
ジョンが「どうだ?」と言うとリンゴが「手に豆ができた」と叫んでいる。

(That Magic Feeling,The Beatles' Recorded Legacy P.211)

 


ポールの希望通りに荒く獰猛なハード・ロックになった。
ベスト・テイクは第21テイクだった。

ジョンもできる限りの力でベースを弾いたのだろう。
メンバーに「どうだ?」と聞いている。

メンバーの同意が欲しかったのだろう。
メンバーとの一体感が欲しかったのだろう。

すぐにリンゴが反応した。
「手に豆ができた」と叫んでいる。

このセリフが収録されているのはステレオ版のみ。
モノラル版には収録されていない。

ビートルズのメンバーが監修したミックスはモノラル版のみであるので
ビートルズにはこのセリフをレコードに入れるつもりはなかったということだ。

ジョンとリンゴの応答にはロック・バンドとしてのメンバーとの幸福な一体感がある。
この時ビートルズのメンバー間は非常にうまくいっている。

少なくともHelter Skelterの混沌を意図してバンドサウンドとして作り上げる
そんなことができるくらいバンドは上々の状態だった。