Beatlemania's Blog ~ビートルズ研究~

ビートルズ・ファンがビートルズについて調べたことを書くブログ

The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。-117-  【Ob-La-Di,Ob-La-Da】

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Geoff Emerick

【 Ob-La-Di,Ob-La-Da 】 -17-

 


ビートルズとスタッフの間にあった不和について

 


【資料】

ポールがジョージ・マーティンに横柄な態度を取ったため

(マーティンが歌いなおしを勧めたのが気に入らなかった)

たまらずエンジニアのジェフ・エメリックが帰ってしまった。
レコーディング現場の雰囲気は悪かったのだ

The Beatles Remastered CD Guide P.141)

 


ポールとスタッフとの間にトラブルがあった。
ジョージ・マーティンに不満、不機嫌をぶつけたのだろう。

当然現場の雰囲気は悪くなっただろう。
現場にいたジェフ・エメリックは現場を去ってしまった。

スタッフとしては最もしてはいけないことだろう。
最悪の事態だった。

これがポールのきっかけでおこった。
問題の深刻さがわかる。

ジョンはWhite Albumのセッションに入る前からスタッフと敵対するつもりだった。
敵対してでもクーデターをおこし自らの録音の自由と権利を勝ち取るつもりだった。

だからジョンがスタッフともめても敵対しても何も不思議はない。
ポールもジョンに影響されていたのだろう。

ジョンの提案通り録音現場でジョージ・マーティンにアレンジの検討をさせない
音を決めさせないために行われたEsher Demos(イーシャー・デモ)

それに参加した4人のメンバー全員がジョンのクーデター、反体制に
影響されていたのだろう。反体制側になっていたのだろう。

ジョンが敵対視するスタッフとの関係は当然悪化する。現場は雰囲気が悪くなる。
今まで見てきたとおりRevolution 1の録音からすでに関係は悪化していた。

そこにポールのジョージ・マーティンへぶつけた不機嫌。それは一瞬のものだっただろう。以前のセッションであればたわいもないことだっただろう。

でもこの時は違った。すでに一触即発の状態だった。
スタッフにとって命綱であっただろうメンバー、ポールの不機嫌な態度は致命的だった

ジェフ・エメリックは仕事を放棄した。
ジェフにとっては最悪の記憶となっただろう。

 


【資料】

雰囲気の悪さやいがみあいは想像を超えたレベルだったため、
エンジニアのジェフ・エメリックは精神的に耐えられなくなってしまい、
録音の途中で「ビートルズの担当を降りる」と宣言し
スタジオを出て行ってしまった。

(真実のビートルズサウンド P.171)

 


ジェフ・エメリックは仕事を降りた。
それは現場の雰囲気の悪さやいがみあいのためだった。

でも、そのいがみあいはビートルズの4人のメンバー間のものではない。
4人のメンバーとジョージ・マーティンやジェフらスタッフとの間のものだった。

4人のメンバーは、この曲の録音終了時点で不和はない。反体制側にまわった4人が
会社側のスタッフを相手にクーデターをおこして戦っていた。

クーデターを起こした目的は、自分たちの楽曲のアレンジをする権利、管理する権利を
ミュージシャンであるビートルズのメンバー自らが勝ち取るということだっただろう。

 


【資料】

完成品を聴いてみると、ジョンがイライラしていたりリンゴがかわいそうだったりという
ことはまったく関係ないところでレコーディングが行われたという感じだ

(全曲解明!!ビートルズサウンズ大研究(下)P.71)

 


この曲を聴いてジョンの不満、リンゴの悲哀は感じられない。
ビートルズのメンバーに不和はなかった。