Beatlemania's Blog ~ビートルズ研究~

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The Beatles「White Album」いつビートルズは仲違いしたのか。なぜ解散したのか。- 84- 【Good Night】

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左 Julia Lennon



【 Good Night 】 -6-

 


ジョンが母親のことをどう思っていたのかを「Girl」の歌詞から考える

 


【歌詞】


【Girl】


Is there anybody going to listen to my story
 All about the girl who came to stay?
 She's the kind of girl you want so much
 It makes you sorry
 Still, you don't regret a single day
 Ah girl
 Girl

 


ジョンは誰か聞いてほしいと前置きして
話し始める。

ジョンはこの時から愚痴のような身の上話を
歌詞にするようになった。
(そのままStrawberry Fields Foreverへとつながる)

聞いている人を前提として話しかけるような歌詞。
1対1の歌詞、手紙、電話。

ジョンを単に歌手ではなく一人の人間、友達、先達と
ファンに感じさせるようになったのは、この歌詞の変化だと思う。

「Girl」もそう。

誰か聞いてくれ。
俺の話を。

 


Was she told when she was young that pain
 Would lead to pleasure?
 Did she understand it when they said
 That a man must break his back to earn
 His day of leisure?
 Will she still believe it when he's dead?
 Ah girl
 Girl
 Girl

 


そして、最後の歌詞でジョンの考えを披露する。
その言葉を集めてジョンの真意を探してみる。

「Girl」はこう。

苦しみは喜びに変わる?
男は我が身を犠牲にして人生を作る?

ジョンが哲学を歌詞に込めるのはこの時から。
そう、You've Got To Hide Your Love Awayはそこまでは言ってない。

この「Girl」は誰か。
それは「ヨーコ」だと、ジョンがインタビューで言ってる。

そうか。ヨーコだったのか。
そんなに印象的だったんだな。

いや、違う。この「Girl」のような女性、ヨーコとその後出会えたって
ジョンが言ってるようです。

ギターがウクレレみたい。
ウクレレってジョンが母ジュリアに教えてもらった楽器。

そうだとしたら。この「Girl」はジュリアのこと。
そうじゃないとどうしてわざわざギターでウクレレ様に弾くのだろうか。

ジュリアが弾いてたように弾いたのだろう。
ジョンはジュリアを想いながらこの曲を作って歌ってるんだろう。

そうするとこの歌詞の哲学はジュリアから受けたジョンの心のことだろう。
ジョンは母のジュリアと父から人生の苦しみを嫌というほど学んでいる。

苦しみは喜びに変わらない。
ジュリアも父もジョンのために犠牲になんかならなかった。

苦しんだのはジョンだけ。
永遠に続く痛み。

この後すぐに出会って、心酔したヨーコ。
ジョンにとってはジュリアとヨーコの境界はぼやけている。

実際に似ているのかもしれない。
この「Girl」の歌詞の通りの人だったとしたら。

 


When I think of all the times I've tried so hard to leave her
 She will turn to me and start to cry
 And she promises the earth to me
 And I believe her
 After all this times I don't know why
 Ah, girl
 Girl

 

 


そこまで考えるとここの歌詞がわかる。
I think of all the times I've tried so hard to leave her

ジョンがジュリアの家に遊びに行って夕方になるといつも自分の家に帰った。
ジュリアの子供たちを見ながら、母と何百回も繰り返す別れ。

だからall the times なんだろう。
何回も何回も何回も、繰り返す母との別れ。

 



She's the kind of girl who puts you down
 When friends are there, you feel a fool
 When you say she's looking good
 She acts as if it's understood
 She's cool, cool, cool, cool

 


この歌詞の「Girl」はジュリア。
ジュリアはこういう女性だったのだろう。

ジョンは言われたんだろう。
時間よ、ジョン、また明日ね。

あなたには帰る家があるのよ。
ここじゃないのよ。

ジュリアはレンズのついてない眼鏡をかけて
歌い踊りながら家事をするような女性だった。

ジョンにとってクール、だったんだろう。
会ったら落ち込むけど会いたくて会いたくてたまらない。